回答
成果主義は、個人の業績に応じて報酬に反映させるという「結果主義」だけでは、うまく行きません。経営目標を達成するという成果を得るために、いかに会社の業績を引き上げるのか。そのために、いかに個人の業績を引き上げるのか、という業績管理の手法として捉える必要があります。
【結果主義の問題点】
結果主義の特徴を整理してみると、以下の2つがあげられます。
(1)結果のみを重視し、途中の状況(プロセス)は評価しない
最終結果のみに焦点をあてて評価してしまうため、途中の努力などは考慮しません。たとえば、契約件数や契約金額だけで評価してしまい、営業先訪問件数や情報収集の努力などの結果につながるためのプロセスは、評価の対象としません。
(2)短期的な成果に焦点をあてる
評価の期間は1カ月など短期間で設定されることが多いです。たとえば、「月に○件以上の契約獲得で、○円の報奨金支給」などです。
これらのことから引き起こされるデメリットには、以下のようなものがあります。
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職場の人間関係がギクシャクするようになる給与額だけの動機づけには限界があり、最初に効果はあっても、ある時点からは効果がなくなる業績と直接関係のない能力の開発に力を入れなくなるため、人材育成がおろそかになる「数字を上げなければ」という過度のプレッシャーにより、心の病にかかる社員が増える金銭面での結び付きだけなので、愛社精神や忠誠心が生まれない
成果主義を導入したにもかかわらず業績が向上しない企業の多くは上記のようなデメリットによって、本来の目的が達成できていないことが考えられます。
【業績管理手法による成果主義の導入方法】
成果主義を効果的にするためには、結果主義ではなく、業績管理の手法として捉え、活用するとよいでしょう。以下、その導入方法について説明します。
会社の経営目標を達成するためには、どのような部門目標が必要なのか。そして、部門目標を達成するためには、どのような個人目標が必要なのか、ということを一つの筋を通した形(ベクトルを合わせる)で明確にしましょう。
そして個人目標は、必ずプロセスも評価できるものにしなければなりません。たとえば、新規訪問件数や見込み先フォロー件数など、長期的に見れば自社の売上につなげるための重要な項目があれば、それらも評価項目に加えることです。
さらに重要なことは、それらの目標を設定するときには、一方的な指示命令にならないようにする必要があります。必ず上司が社員一人ひとりと面談の場をもち、その社員に合わせた課題・目標を両者が納得するように設定することを心がけましょう。そして、評価結果についても面談の場をもち、フィードバックすることにより、新たな課題の設定を行うという流れを確立しましょう。
こういった取り組みを行うことにより、上司と部下のコミュニケーションが機能し、社員の不公平感を取り除くことが可能となります。そして、社員のモチベーションが向上し、結果として会社の業績の向上に大きく寄与することとなります。
【面談のすすめ方】
業績管理を導入する上で非常に重要な面談について、そのポイントを表1に示します。
表1 面談の進め方 - 回答者
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中小企業診断士 竹内 靖人
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