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中小企業にとってもコンテンンツマーケティングは有効なのでしょうか?

2022年 8月31日

当社は情報発信や企業広報に課題を感じています。中小企業にとってもコンテンンツマーケティングは有効なのでしょうか?

回答

コンテンツマーケティングの主軸を担うWebサイトやSNSは、企業の規模や業種に関係なく、誰もが平等に情報発信できる開かれたメディアです。特に対面営業がしづらいコロナ禍以降は、「顧客接点確保」という側面からも不可欠といえるでしょう。その上、コンテンツマーケティングの「極めて低コスト」かつ「即応性に優れている」という特徴は、中小企業にこそ有利に働きやすいメリットです。工夫次第では、大企業と同等かそれ以上の効果も期待できると思います。

「低コスト」「即応性」というメリットを生かしやすいのは中小企業

コロナ禍以降、非接触ニーズが高まると同時に、オンラインの有益性が広く認められるようになり、企業広報におけるインターネットを通じた情報発信の重要性は、それ以前に比べて格段に高まりました。このような社会状況は、主にインターネット上で記事や写真、あるいは動画などを軸にした何らかのコンテンツを発信し、企業認知度や顧客満足度の向上などを図ろうとするコンテンツマーケティングの価値も高めたと考えられます。実践する上で、より手軽なのはSNSによるものですが、そのSNSも最終的には自社のオウンドメディアに誘導することが一般的であるため、ここでは自社サイトにおけるコンテンツマーケティングを中心に解説します。

自社サイトにおいても、近年主流となっているCMS(コンテンンツマネジメントシステム)の導入により、情報の発信や更新が社内で完結できるようになりました。これによりリードタイムの短縮や外注費の圧縮が実現でき、低コストでのコンテンツ制作・運用が可能になっています。加えて、必要な時に必要な情報を即座に発信できるという即応性こそ、CMSを活用したコンテンツマーケティングの最大のメリットでしょう。大企業には、情報発信に際してさまざまな関連部署の承認を得なければならないというネガティブな側面が少なからずあります。その点、トップや現場の判断でフットワーク軽く動ける中小企業の方が、コンテンツマーケティングのメリットを生かしやすいといえそうです。こうしたメリットを上手に活用できれば、潤沢な予算を持つ大企業と遜色ないレベルでの認知度向上や記憶残留率アップが期待でき、また、それらがもたらす購買機会の拡大=売上アップの実現可能性も高まります。

読まれなければ意味がない。検索上位に位置付けられるポイントは?

ではどんなコンテンツを作ればいいか、と早速考えがちなのですが、主にインターネットを軸とするマーケティング手法であるからこそ、コンテンツ制作の前に考慮すべき点があります。それがSEO(Serch Engine Optimization)の観点です。たとえどんなに良質なコンテンツを作ったとしても、そこにたどり着いてもらわなければ意味がありません。現在日本では、およそ80%の人がGoogleの検索エンジンを活用しているため、このGoogle検索で自社のコンテンツが上位に位置付けられることがとても重要。そのためには、コンテンツの有益性をGoogleに認めてもらう必要があります。この判断基準の一つが最低2000字程度の情報量であること。ただし、とりわけBtoB企業の潜在顧客はそのほとんどがある意味で「専門家」と言えるため、誰もが知っているような平易な言葉を並べるだけでなく、適宜専門用語を散りばめた方が、検索時のヒット率は高まります。もう一点、自社サイトがより多くのサイトからリンクされていることも、自社のコンテンツの信頼性を高める方法として有効です。多くの組織からリンクを貼られているということは、それだけ役立つ情報を掲載しているとGoogleに判断されるわけです。

検索上位に位置づけられるための3つのコツ

検索上位に位置付けられるコンテンツが仕上がったら、あとはそこからどれだけリードを獲得できるかという視点も忘れてはいけません。そのためには問い合わせまでの導線をスムーズにしておく必要があります。コンテンツには、常に問い合わせ情報が表示されるような工夫があるといいでしょう。ちなみにBtoB企業の場合、Webページ経由の問い合わせよりも、まだまだ電話による問い合わせの方が多いという傾向があります。この電話による問い合わせをどのように潜在顧客のデータベースに蓄積するかをあらかじめ検討しておかないと、せっかくの顧客を見逃してしまうことになるので注意が必要です。

良質なコンテンツで、訪問者とのエンゲージメントを高める

コンテンツマーケティングを成功させる上で、やはり最大のポイントといえるのが「良質なコンテンツをいかに作るか」です。前述したのはSEOのコツであり、当然、それだけでは良質なコンテンツになり得ません。訪問者が知りたいと思っていた情報やソリューションを詳細かつ的確に、それでいてわかりやすく解説できていること。これらが良質なコンテンツの条件といえるでしょう。訪問者の「知りたい」という欲求を満たした時、その情報の発信者に対するエンゲージメントが高まって記憶に長期間定着し、それが後の購買動機につながります。ただし、文字量などのコツを意識しすぎて内容が薄いことや、あまりに宣伝的になることはNG。なるべく技術者や開発担当者などの生の声を落とし込むことが、説得力を高めるポイントとなるでしょう。

また、テキストや写真だけでなく、動画によるコンテンツも非常に有効です。その際、できれば自社サイト内に組み込むだけでなく、YouTubeなどの動画プラットフォームを利用することで、リーチする範囲を拡大させていくことも重要でしょう。なお、この動画コンテンツの場合も、プロのナレーターを使うより、技術者や開発担当者らが直接語りかける方が説得力は高まると思います。

最後に、繰り返しになりますが、大企業も中小企業も団体も個人も関係なく、誰もが平等に情報発信できる今の時代、情報の出し惜しみは、自社にとって不利益になります。顧客や社会にとって有益な情報はどんどん公開し、まずは多くの訪問者と自社のエンゲージメントを高めることが重要でしょう。そのためには、訪問者に喜ばれるようなコンテンツ制作および情報発信を心がける。これが中小企業のコンテンツマーケティングを成功に導く第一歩ではないでしょうか。

回答者

日本BtoB広告協会アドバイザー、BtoBコミュニケーション大学副学長
河内 英司

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