中小企業の海外展開入門

STEP5「輸出開始後のリスクに備える」

1. 取引先のモニタリング

いったん商品を輸出できたからといっても安心はできません。
取引先の経営悪化等により、商品の代金が支払われない等のトラブルも発生しかねません。
現地の取引先へ継続的に訪問するなど、取引先の経営状態を確認しましょう。
安定的な国際取引を行ううえでは、取引先の継続的なモニタリングが最重要事項になります。

取引先の信用リスクの他にも、輸出国の政情不安等により輸出できなくなる場合もあります。
貿易保険に加入するなど万一のリスクに備えましょう。

2. 知的財産の保護

知的財産の保護も重要な課題です。国内で特許等を取得しているだけでは、海外では通用せず権利侵害されることもしばしばあります。権利保護に留意しましょう。

事例

測定機器メーカーのD社は、長年にわたり同社製品を欧米に輸出し、自社ブランドを世界的に浸透させてきました。
しかし、近年、中国で同社製品の模倣品が多く出回ったことから、模倣が困難な改良品を開発しました。
そして特許権および意匠権を日本、欧米、中国などの各国で取得し、知的財産の保護に努めています。

<林 隆男 ライジングコンサルタンツ(株)代表取締役 中小企業診断士・ITコーディネータ/飯野恵美 中小企業診断士>


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