Bisexual/バイセクシュアル(両性を好きになる人)
Transgender/トランスジェンダー(生物学的・身体的な性、出生時の戸籍上の性と性自認が一致しない人)
の頭文字をとったものです。
日本のLGBT人口がどのくらいかははっきりしていませんが、複数の民間調査を総合すると、おおよそ8%程度と推測されます。
2.企業におけるLGBTに関する取組の現状
厚生労働省の調査(※)によると、「性的マイノリティやLGBTと呼ばれる人が社会にいることを知っている、聞いたことがある」という企業は回答企業の9割を超えています。一方、性的マイノリティに対する配慮や対応を意図した何らかの取組を行っている割合は全体で10.9%に過ぎません。現在取組を行っておらず、今後も取組を実施する予定がない企業にその理由を聞いたところ、「社内に性的マイノリティ当事者がいないため」が50.3%、「取組の必要性を感じていないため」が 34.7%となっています。
3.LGBT当事者が抱える困難
とはいえ、1.で見たように日本人のLGBT人口は約8%、さらにLGBTであると言い出せない人も加えると、この数字はもっと増える可能性があります。そして彼らは職場で、自分らしく振る舞えず能力を発揮できなかったり、居心地の悪い思いをしたりしているかもしれません。
LGBT当事者は、具体的にはどのような困難を抱えているでしょうか。
【図】
【図】のように、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルの約4割、トランスジェンダーの約5割が職場で困りごとを抱えています。
異性愛が前提となっていれば、各種福利厚生制度が利用できない場合があります。また、トランスジェンダーの場合は、トイレや更衣室の利用、健康診断の受診、通称名の使用、服装などの悩みがありそうです。
何より、周囲の無理解や偏見に傷ついているケースも少なくないでしょう。たとえば、「男らしさ・女らしさ」の強要や、「同性が好きなんて信じられない」といった何気ない発言が、当事者の心を強張らせている恐れがあります。このような環境下では、自分を抑圧して生きるしかなくなってしまいますが、それはとてもつらいことでしょう。
4.企業ができる取り組み
このような困難を抱えるLGBTの社員から、冒頭のような告白があったら、どのように対応するのが良いでしょうか。
まずは「話してくれてありがとう」と伝えましょう。きっと打ち明けるには相当の覚悟が要ったはずです。
そして、支援する気持ちがあることを伝え、具体的に何か望むことがあるか、落ち着いて傾聴しましょう。制度を変えてほしいのか、差別的言動から守ってほしいのか、トランスジェンダーの場合はホルモン治療のため通院時間を確保したいのか、ただ知ってほしいのか等、さまざまなことが考えられます。いずれにせよ、個別の事情に沿った対応策を考えましょう。
また、誰に伝えているのか、今後誰に伝えて良いのかも確認しましょう。オープンにしたいという人もいれば、人事担当者や直属上司にのみ知ってほしいという人もいるでしょう。その希望に寄り添い、アウティング(LGBTであることを、本人の同意なく、第三者が暴露すること)は決してしないと約束しましょう。
一方、組織としては、LGBTに対する理解を深めましょう。取組を進める旨のトップメッセージの発信、正しい理解とハラスメント防止に向けた研修実施、相談窓口の設置などが考えられます。これは当事者の有無にかかわらずできることです。偏見や無理解を解消しつつ、各種制度や設備を整えていきましょう。
これらの取組の先にはきっと、より多様な社員が能力や個性を活かせる職場の実現があるはずです。