事例紹介の4回目は、洋食屋や居酒屋といったレストランを運営している「飲食業」が対象です。
1.事例
さまざまなお店で実施されていて、効果が出やすいのは次のような販促企画です。
【ポイントカードの制作】
カードは手づくりでもかまいません。スタンプを押せる枠を書いて、そこに店員が押していくのがシンプルです。カードの大きさは、一般的な名刺サイズにして、お財布にいれてもかさばらないようにします。具体的には次のように使います。
(1)来店するたびにポイントをプレゼント
ポイントは、店名が入ったスタンプ(店印)が手軽ですが、集める楽しさを提供するために、オリジナルシールを制作してもよいでしょう。
(2)たまったポイントはサービスと引き換え
引き換えの際は、ポイントカードを換える、もしくは、引き換え済みのマークをつけて、何度も利用されないようにします。
具体的な展開例
ポイント交換は、「比較的たまりやすい商品」と、「たくさんためる必要のある商品」と、段階的に用意すると効果的です。いくら魅力的な商品でも、ためるまでのハードルが高いと集める気力がなくなります。ポイントがたまりやすい商品で、「ためる・交換する楽しさ」を早期に経験していただくと、高いハードルを乗り越える気持ちがわくようになります。
2.ねらえる効果
この販促企画では、2つの効果がねらえます。
(1)来店頻度の向上
数ある競合店の中から、ポイントによる特典を目当てに、来店していただける機会が増えます。胃袋の大きさは限られていますので、他のお店に行くところを自店に来店していただき、自店利用の回数が増えることになります。
飲食店では、お客さまがいてもいなくても、テーブルやイスは置かれていて、店舗全体の多くの面積を占めます。お客さまが来店される回数が多くなることで、空席の割合が減り、施設が効率的に使用されることになります。
言い換えるならば、飲食店の重要な指標である回転率(一日の客数を席数で除して算出)の上昇にも寄与することになります。
(2)新規顧客開拓
もちろん一人での来店もありますが、飲食業の場合は、友人や同僚、家族と来店する機会が、他の業態よりも多いのが特徴です。つまり、他業態に比べ、ポイントカード保有者が、自店に来店したことのない方を連れて来店する機会は多くあるわけです。このため、ポイントを集めるために来店頻度が上がれば、その分、新規のお客さまを開拓する機会も増えることになります。
3.効果を出すポイント
(1)「商圏が広い」特徴を生かす
小売店の場合、購入した商品を自宅や職場などに運び、料理をしたり使用したりすることで、価値を享受することになります。そのため、駐車場や駐輪場のない小規模なスーパーやコンビニの場合、お客さまは買った商品を手にもって運ぶ必要があるため、必然的に商圏が狭くなります。
その点、飲食店は、その場で消費、食べることで価値の享受は終了しまので、スーパーやコンビニといった小売店と比べると肉体的負担が少なくなく、商圏広くなります。
このため、ポイントカードをとりいれることで、「どうせ食べるならば、少し遠いけれどポイントカードがある、お得なあの店で食べよう」といった心理が生まれやすいわけです。
(2)ポイントカードのお得な特典以外にも差別化点をつくる
ですが、いくらポイントカードを作ったとしても、「お得」というだけでは、継続的な来店、つまり、お客さまの囲い込みは難しいものです。
飲食店がそもそも提供している根本的な価値である「料理の美味しさ」や、その付属的な価値である提供時の「サービス」、インテリアを含むレストランの「雰囲気」などで差別化が図れていることが大前提となります。
4.留意点
ポイントの適切な交換レートの設定
先述したとおり、ポイント交換は、「比較的たまりやすい商品」と、「たくさんためる必要のある商品」と、段階的に用意すると効果的ですが、そのレートには注意する必要があります。
簡単に交換できるレートですと、販促交換よりもコストの方が上まってしまいます。逆になかなか商品と交換ができないと、ポイントを集めようとするお客さま数が少なくなり、結果として販促効果が低くなります。
景品の金額は、10回の来店で支払う総金額の5%程度、20回の来店での総金額の10%程度を、それぞれポイント達成ごとにお渡しするくらいが適当です。
例えば、一回1000円ランチで1ポイントであれば、10ポイント達成で500円程度のデザートをプレゼント、20ポイント達成で1000円のランチ一回分、サービスなどです。
ただし、法律で提供できる景品の金額が決まっていますので、景品を提供される際は、景品表示法(不当景品類及び不当表示法)の「総付※」をご確認されるとよいでしょう。
[参考]