経営ハンドブック

公的支援の受け方

働きやすい職場づくりで助成金を得る

長時間残業の削減やワークライフバランスの実現、女性や高齢者の活用といった働き方を見直す取り組みに対し、助成金が用意されている。利用するには、行動計画の作成や制度を導入して実施、目標の達成が認められた場合に支給額を受け取れるケースが多い。ここでは代表的な助成金を例に、手順を説明する。

働き方の見直しを支援する助成金の例

  1. 残業時間削減など労働負荷を軽減する
  2. ワークライフバランスを実現する
  3. 女性や高齢者の活用を進める

1.残業時間削減など労働負荷を軽減する

時間外労働の上限を設定し、働く時間を減らした中小企業に対し、その実施に伴う費用の一部を助成するのが「時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)」だ。

受給に当たっては、「1. 労務管理担当者に対する研修」「2. 労働者に対する研修、周知・啓発」「3. 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング」「4. 就業規則・労使協定等の作成・変更(計画的付与制度の導入など)」「5. 人材確保に向けた取組」「6. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新」「7. 労務管理用機器の導入・更新」「8. デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新」「9. テレワーク用通信機器の導入・更新」「10. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)」のうち、1つを必ず実施しなければいけない。

また、「1. 時間外労働時間数で月 45 時間以下かつ、年間 360 時間以下」「2. 時間外労働時間数で月 45 時間を超え月 60 時間以下かつ、年間 720 時間以下」「3. 時間外労働時間数で月 60 時間を超え、時間外労働時間数及び法定休日における労働時間数の合計で月 80 時間以下かつ、時間外労働時間数で年間 720 時間以下」のいずれかを設定した事業実施計画書を管轄の労働監督基準署へ届け出る。

そのうえで、交付申請書を都道府県労働局に提出、事業実施計画書に沿って実行、その取り組みを証明できる書類とともに支給申請するという流れとなる。

2.ワークライフバランスを実現する

ワークライフバランスの取り組みを支援する助成金として、男性従業員が育児休業や育児目的休暇を取得した企業を対象とする「両立支援助成金(出生時両立支援コース)」がある。

受給条件は、育児休業の開始日や育児目的休暇の取得日の前日までに「男性従業員を対象にした育児休業制度の利用を促進するための資料配布などによる周知」「管理職による男性従業員への育児休業取得の勧奨」「男性従業員の育児休業取得についての管理職向けの研修の実施」といった取り組みをしていること、育児休業の制度などを労働規約・就業規約で規定していることが挙げられる。

3.女性や高齢者の活用を進める

人手不足では、女性や高齢者の採用も視野に入れたい。女性活用を進める「両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)」を受けるには、女性活躍推進法に基づき、(1)自社の女性の活躍に関する状況把握と課題分析、(2)状況把握と課題分析を踏まえた行動計画の策定や社内周知、公表、(3)行動計画を策定した旨の都道府県労働局への届出、(4)女性の活躍に関する情報の公表という4つの措置を講じる必要がある。そして、自社の課題に基づいた数値目標と数値目標の達成に向けた具体的な取り組み内容をまとめた「一般事業主行動計画」を作成する。一般財団法人女性労働協会が「一般事業主行動計画の策定」の相談受付など支援している。

高齢者を活用する「65歳超雇用推進助成金(高齢者評価制度等雇用管理改善コース)」を利用するには、「高年齢者雇用管理整備措置(能力開発、能力評価、賃金体系、労働時間等の雇用管理制度の見直しもしくは導入または医師もしくは歯科医師による健康診断を実施するための制度の導入)」を内容とする「雇用管理整備計画書」を、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に提出して認定を受けなければならない。