従業員エンゲージメント
時間や場所にとらわれない働き方
HRMへの取り組みを強化するのであれば、まずはこの「3つの視点と5つの共通要素」と照らし合わせて自社の人材戦略を見直してみる。それが、従業員一人一人の潜在能力を引き出し、企業価値の向上につなげるHRMのファーストステップになるかもしれません。
その後のHRMの実践においては、自社の経営戦略を遂行する、あるいは経営課題を解決するための目標を定め、それに向けた能力開発を行うなど、実務と連動して取り組むことがポイントになります。まずは、指導や教育ができる人材の育成から始め、そのプロセスやノウハウを見える化・定量化しながら推進しましょう。その際、個人に任せきりにするのではなく、組織としていかに対応するかが大切です。中小企業であれば、「全員参加型の事業推進ができる」「専門性を持った従業員が能力を発揮しやすい」といった強みを生かすことができれば、より高い効果を期待できるでしょう。
公的支援も活用し、HRMの取り組みで経営基盤の強化を
前述のように、HRMへの取り組みで世界に後れをとる日本ですが、中でも大企業に比べて中小企業の進捗の後れは目立ちます。その背景には、「スペシャリスト志向が強い」「年功重視型や職務内容重視型が多い」「OJTへの取り組み姿勢が弱い」といった企業側の課題に加え、「教育を受ける意欲が低い」といった従業員側の課題もあります。ただ、HRMに関する優れた取り組みを実践して効果を上げている中小企業は、業績も好調であることが多いです。中小企業であっても、HRMの進捗を妨げている上記のような課題と向き合い、積極的に取り組むことが、将来的な事業の持続可能性を高めるといえそうです。
ちなみに、HRMの取り組みの推進をサポートする公的な支援制度は豊富にあります。内閣府の「プロフェッショナル人材事業」「先導的人材マッチング事業」、経済産業省の「中小企業経営支援対策補助金(若者人材確保プロジェクトの実証)」などは、人材確保に関する支援制度です。また、魅力ある職場づくり・社員教育に関しては、厚生労働省の「両立支援等助成金」「民間企業における女性活躍促進事業」「人材開発支援助成金」などが挙げられます。このほかにも多種多様な公的機関が幅広い支援制度を展開していますから、自社のHRMを進める上での課題やポイントを整理したら、その実践をサポートするような公的支援がないかを探してみてください。使えるものは賢く利用しながら、経営基盤の強化・経営目標の達成を目指していきましょう。