製品の最適化:顧客のニーズに合った商品・サービスを提供するためには、ターゲットとなる顧客層の十分な理解が必要です。ニーズに対応した製品開発は事業の成功確率の向上に直結します。
効率的なプロモーション:ターゲット顧客を絞り込むことで、広告等のプロモーションを効率的に行えるようになります。ターゲットとしない顧客向けの無駄な広告支出の削減等によりROI(投資対効果)を高めることができます。
一例ですが、「近隣アジア諸国からビジネスクラスを利用した個人旅行で訪日する60代の孫のいる夫婦」と「米国から弾丸ツアーの団体旅行で訪日する20代の独身者」という属性が異なる顧客のどちらのニーズに合わせるかによって、取るべきマーケティング戦略(製品・価格・チャネル・プロモーション戦略)も大きく異なってきます。
STEP3 顧客ニーズに合った商品・サービスの開発・提供
顧客ニーズに合った商品・サービスの開発・提供は、「需要を収益に結びつける」ためだけではなく、企業の成長やブランド価値の向上のためにも欠かせないステップです。期待される具体的な効果は以下の通りです。
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競合との差別化・売上増:競合他社との差別化につながり、より高い価格・より多い数量の販売の実現に寄与します。「売上高=単価×数量」ですので、結果として売上高が増加します。
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顧客満足度の向上:顧客満足度を高めることができ、再訪日時のリピート購入や家族・親戚・友人等への口コミ等での将来的な波及効果が期待できます。
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ブランド力の向上:ブランドの認知度・イメージ・評価が向上します。既存の商品・サービスも含め、日本国内・海外市場向けのビジネスチャンス拡大の可能性をもたらします。
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リスクの軽減:顧客ニーズの変化を早期に捉えることで、新たなトレンドの出現等による需要変動・売上減少のリスク(陳腐化リスク)を軽減・回避しやすくなります。
競合他社対比の優位性を判断・検証する際の切り口として、「Q(Quality=品質)・C(Cost=コスト・価格)・D(Delivery=納期)」を意識することをお勧めします。定期的な検証による陳腐化リスクの回避は持続的な成長の実現につながります。
顧客目線・現場目線で考える
最後に、上記3つのステップを確実に踏んだうえで2つの留意点について解説します。
留意点1:言葉の壁を作らない
基本的なことですが、顧客である訪日外国人と言葉が通じず意思疎通ができないという事態は絶対に避けるべきです。外国語対応可能なスタッフの確保、翻訳サービスの活用、店内の掲示板やリーフレット・メニューの外国語併記等を確実に実施して言葉の壁を作らないようにしてください。
留意点2:通信・決済環境を整備する
こちらも基本的なことですが、STEP3で獲得した顧客満足を失わないためにも、諸外国に比べて遅れているとの評価があるインターネットやクレジットカード・オンライン決済環境を確実に整備することが必要です。
上記の留意点はともに、ターゲット顧客(STEP2)の目線で考えれば、最低限必要な対応であることは明らかです。他にも留意すべき点は多く考えられ、業種、業態、提供する商品・サービスの内容等によって優先順位も異なりますが、BtoC中心であることを踏まえると、実際にターゲット顧客に接する現場の担当者の意見も取り入れ、現場目線で考えることが重要なポイントです。経営者では気づかないけれども顧客にとっては重要な改善すべき点が見えてきます。
顧客目線・現場目線での工夫も重ねて、インバウンド需要の取り込みを成功させてください。