導入量拡大を通じて2030年の水素の供給コストを現在の販売価格の1/3以下の30円/Nm3にする。
分野別の現状と課題、今後の取組は次のとおり
a) 水素の利用
水素発電:実機での実証中で商用化が課題。2050年に発電用水素のコストをガス火力(20円/Nm3)以下にする。
FC(燃料電池)トラック:実機実証中。水素ステーション開発・整備の支援、規制改革(水素タンクの昇圧)によるコスト削減。
水素還元製鉄:技術未確立。ゼロエミッション製鉄の世界市場規模は2050年で約40兆円/年。この市場獲得を目指し技術開発を行う。
b) 水素の輸送
我が国は当初から輸入水素の活用を前提としてきた。世界初となる液化水素運搬船による日豪間の海上輸送等の実証運転中。2030年を目途に商用化を目指す。
c)水素の製造
再エネが安い海外に水電解装置を輸出し、その後国内導入する構想。日本では世界最大級の水電解装置が建設されているが、更なる大型化を目指す技術開発では欧州等が一部先行する構図となっている。2050年までに毎年平均4.4兆円見込まれる世界の水電解装置の市場獲得を目指す。
以上のような課題をいつまでに解決するか、を示した工程表が図8です。この図から、技術開発や実証が2030年以降までかかるものもあり、産業として立ち上がるまで長期間かかることがわかります。また、技術面のみでなく、法制度、国際標準、および国家予算、金融等による支援等総力戦が求められることも見えてきます。
(2) 海外 8)
米・加、欧州、中国、韓国、オーストラリア、その他地域での 水素・ 燃料電池関連の取り組みを図9に示します。以下では燃料電池をFC(fuel-cell)と記します。
トラック、フォークリフトなど商用車両への燃料電池導入が強化されました。ドイツ では世界で初めてのFC列車の 商用運行が開始されました。
水の電気分解による水素取り出し(図ではPower to Gas、P2G )の取組みも活発化を見せ、キャリア・用途共に多様化の傾向が見られます。