主要な資産負債の移転があること。
従業員の概ね80%以上移転見込みがあること。
デメリット:分割会社に簿外債務があった場合には、分割承継会社に引き継がれる。税務の取り扱いが単純ではない。買い手が非上場の場合、入手した株式の現金化が困難。
4.税務上の考え方
事業譲渡は売買取引なので時価で取引することが原則ですが、会社分割により移転する資産・負債の移転価格を時価にするか簿価にするかという点では、その支配が継続するのか、又は継続が絶たれるかを基本的な考え方としており、支配が継続するのであれば、移転する前後で経済実態に実質的な変更がないと考えられることから、損益を認識しない(簿価で承継)。一方、支配が絶たれるのであれば、通常の売買と同様と考えられることから、損益を認識する(時価で承継)ということになります。
税務上はこれらについては、「適格」(支配が継続しているため、損益を認識しない)、または、「非適格」(支配が絶たれているため、損益を認識する)というキーワードで把握しています。
(1)事業譲渡
事業譲渡はそもそも事業の「売買」取引と考えられることから、課税されることになり、またその取引の金額が適正な価額ではない場合、低廉譲渡や高額譲受として寄付金課税が生じることとなります。
(2)適格分割と非適格分割
分割について、当該分割が「グループ内の分割」なのか、他企業との「共同事業を行うための分割」なのかを区分し、下記の適格要件により適格・非適格の判別を行います。
《分割に関する適格要件》
(一部抜粋)
—前提—
・金銭交付がないこと
・株式の交付には、株式等の有する分割法人の株式の数の割合に応じて交付されること
・分社型分割の場合には、分割承継法人の株式以外の資産が交付されないこと
多くの場合、事業譲渡に関しては債権者に対する利害調整が最大の問題になると考えられます。また、会社分割に関しては、上記の会社分割のメリットの中に、債権者の同意が不要であるとしておりますが、債権者の利害を無視した会社分割については、会社分割無効の訴えを提起される危険など、将来に禍根を残しかねませんので、債権者の同意の上での分割が肝心です。したがって、より慎重な判断と余裕のある事前の計画が必要と言えます。