評価する前々月
評価する月以前2年間平均(改正追加項目)
のうち、いずれか最も低い金額を類似する株価とします。
上記『類似比準要素』(B)~(C)と『自社の比準要素』を比較して、類似株価(A)を基に自社の株式を評価する方式が『類似業種比準方式』です。
具体的な算式は次のようになります。
(II)類似業種比準価額の具体的な計算例(『類似業種価額等の計算明細書』)
【前提条件】
(株)A社(平成元年1月1日設立)
事業内容: 衣料品の卸売 取引金額構成比率70%
雑貨の小売 取引金額構成比率30%
資本金: 10,000千円(株資本積立金無し)
発行済株式数: 200株(自己株式無し)
事業規模: 小規模に該当
事業年度: 4月1日~3月31日
評価年月日: 平成29年5月31日
直前期: 平成28年4月1日~平成29年3月31日
直前々期: 平成27年4月1日~平成28年3月31日
(1)ステップ1
自社の発行済み株式数を基に、1株当たりの資本金額を50円とした場合の発行済み株式数を計算します。
このとき、自己株式を取得している会社については、自己株式は発行済み株式数より控除します。
次に、直前期及び直前々期の法人税確定申告書等により自社の比準要素を計算します。
1株あたりの配当金を計算する場合は非経常的な配当を、利益金額を計算する場合は非経常的利益・受取配当等の益金不算入・繰越欠損控除はないものとします。
また、類似要素の利益金額は、事業年度が12カ月であることを前提にしているため、事業年度変更等により自社の事業年度が12カ月に満たない場合には、12カ月ベースで計算しなおします。
なお、この事例では前期・前々期ともに別記カッコ書以外には非経常的な配当・非経常的利益・受取配当等の益金不算入・繰越欠損控除はないものとします。
【直前期】
配当金額: 1株につき3,000円
課税所得金額: 5,000,000円
利益積立金額: 12,000,000円
【直前々期】
配当金額: 1株につき5,000円
課税所得金額: 8,000,000円(固定資産売却益4,000,000円含む)
利益積立金額: 4,000,000円
(株)A社の『1株当たりの年利益金額』の計算は、直前期だけより直前々期との平均値を選択したほうが有利になります。
(2)ステップ2
国税庁のホームページで平成29年『類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等』より類似する企業の株価等を確定させます。
(株)A社の場合『衣料品の卸売業』と『雑貨の小売業』と複数事業ですが、取引金額(売上金額)の構成比率が高い『衣料品の卸売業』により評価します。
また、大分類の『卸売業』と中分類の『繊維・衣服の卸売業』に該当しますが、どちらでも結果が有利になる分類により評価しますので、両方の分類で評価し、後に比較することになります。
(3)ステップ3
比準割合を算出し、1株当たり(50円)の比準価額を算出します。なお、減額割合は小会社なので0.5となります。
(4)ステップ4
1株当たりの比準価額を算出します。
したがって、1株当たりの比準価額は197,900円となります。