市場調査データ

酒販店(日本酒)

焼酎ブームで一時期、影の薄かった日本酒であるが、近年、海外での日本酒ブームをきっかけに、国内でも日本酒の価値が見直され始めている。以下では、専門店を中心とした酒販店(日本酒)について、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で23%、男性20%、女性25%であり、女性の利用率の方が高い(表1、図1)。

年代別・性別では、女性、そしておおむね高い年代であるほど利用率は高い。酒販店(日本酒)の利用率は、50代女性(32%)、60代女性(30%)、40代女性(29%)、60代男性(28%)などの順で高くなっている。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、数カ月に1回程度が利用経験者の半分近くを占める(図2)。利用経験者全体では、「2~3カ月に1回程度」の利用が18%、「半年に1回程度」の利用が21%であり、これらを合わせて39%。そして、「年に1回程度」の利用(15%)までを含めると以上の合計は54%となる。

また、利用経験者のうち月に1回以上利用するユーザーは、40代女性(27%)、30代女性(25%)、60代男性(24%)などの順に多い。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、「1,000~1,500円未満」がボリューム・ゾーンであると考えられる(図3)。利用経験者全体で見た場合、「1,000~1,500円未満」での利用者は30%、「700~2,000円未満」での利用者は62%を占めている。

年代別・性別に見ると、おおむね高い年代であるほど利用金額は高くなっている。利用経験者のうち1回に5,000円以上を使うVIPユーザーは、60代女性(10%)、50代女性(8%)、40代男性(6%)、40代女性(5%)などの順となっている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で26%、男性25%、女性28%であり、女性の利用意向の方が若干高い(表2、図4)。

一方、酒販店(日本酒)の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で58%、男性57%、女性58%であり、利用意向は比較的高い。

男性では40~50代、女性では40~60代を中心に、安定的な利用意向が存在していると言える。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、50~60代女性を除く、全ての年代・性別でプラスとなっており、20代~30代女性、30~50代男性などに比較的大きな潜在需要が存在していると考えられる(図5)。

酒販店(日本酒)の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、すべての年代・性別でプラスとなっており、若い男性を中心とした幅広い層に受け入れ余地が存在していると言える。

既に利用率の高い40代以上女性や60代男性のユーザーを保持しつつも、今後は、20~30代女性や30~50代男性を中心に新たな需要を喚起・開拓することが、販売促進においては有効であると考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2013年5月13日~5月19日

調査対象:

全国の20代~60代男女(有効回答数:1,136人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年6月