通信販売酒類小売業免許:2都道府県以上の広域にわたり通信販売を行う場合
酒類卸売業免許:他の酒販店や飲食店など酒類販売業者に販売する場合
酒類販売免許を取得するには、まず酒類指導官が在籍する税務署で事前相談を行い、必要書類や要件を確認する。その後、確認内容に沿って書類を準備し、所轄税務署に申請する。審査中には面談や現地確認が行われることがあり、免許交付には通常2か月以上かかるため、開業に間に合うよう早めの準備が必要である。
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さらに、酒類販売業免許取得後、2週間以内に「酒類販売管理者」を選任し、税務署に届け出る必要がある。そして、選任してから3か月以内に酒類販売管理者研修を受講する。酒類販売管理者は、酒類販売における法律上の義務を指導する役割がある。
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その他、店内で試飲サービスや簡易な飲食提供を行う場合には、食品衛生法に基づき「飲食店営業許可」の取得や「食品衛生責任者」を設置しなければならない。業態やサービス内容によって必要な資格や許可は異なるため、各都道府県の保健所に事前に確認すると良い。
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開業資金と運転資金の例
酒販店の開業にかかる費用は、店舗の規模や形態によって大きく異なるが、ここでは小規模な実店舗型酒販店を想定した開業資金と運転資金の例を示す(参考)。
日本政策金融公庫では、新規創業やスタートアップを支援する「新規開業資金」の貸付制度を用意している。新たに事業を始める人を対象に、通常より優遇された貸付条件が設定されているため、確認してみると良いだろう。また、小規模事業者を対象とした商工会議所の「小規模事業者持続化補助金」や、商工組合中央金庫など金融機関からの融資も利用可能だ。さらに、会計システムや受発注管理システム、POSシステムなどの導入に際しては「IT導入補助金」も活用できる。
売上計画と損益イメージ
最後に、酒販店を開業した場合の1か月の収支をシミュレーションしてみよう。
まず、売上イメージを以下のように設定する(例)。
売上見込みから支出見込み(前項、運転資金例)を引いた損益イメージは次のようになる。
酒販店の損益計算では、仕入原価率を売上の70%程度と見込むのが一般的だ。費用を固定費と変動費に分け、損益分岐点を把握することで、目標売上が明確になるだろう。
実店舗型で開業する場合は、飲食店への売り上げの重要度が高いため、飲食店経営者との交流を大切にしてネットワークを構築していくことが必要である。また、適切な在庫管理も健全経営には欠かせない。過剰な在庫を抱えないように留意しながら、品質保持を徹底しよう。
ECサイトを立ち上げる場合には、ショップのコンセプトを明確にして特色を打ち出していくことが重要だ。利益率を上げるためには、希少価値の高い限定品やギフト商品など、高単価商品の販売を強化すると良いだろう。店主の知見を生かした取り組みで信頼を獲得し、ファンの増加につなげたい。
※開業資金、売上計画、損益イメージなどの数値は、開業状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)