市場調査データ
ワイン・バー
ワイン・バーは、ワインを種類豊富に取り揃えた専門飲酒店であり、若い層を中心に根強いファンを持つ。以下では、ワイン・バーについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で9%、男性10%、女性7%であり、やや男性の利用率の方が高い(表1、図1)。
年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは20代男性(19%)であり、次いで、30代女性(13%)、30代男性(12%)、20代女性(11%)などの順となっている。
また、30代以上においては、利用率に比べ「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度は、とくに20代男女で高いといえる(図2)。利用経験者のうち、「月に1回」以上利用するユーザーの比率は、20代女性が54%、20代男性が41%となっている。また、利用経験者のうち、「週に1回」以上利用するユーザーの比率は、20代女性が15%、20代男性が9%である。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額に関しては、バラツキがあるが、全体で「2,000~3,000円未満」がボリュームゾーンだと考えられる(図3)。利用者全体の31%が「2,000~3,000円未満」の範囲内で利用し、29%が「1,000~2,000円未満」の範囲内で利用し、27%が「3,000~5,000円未満」の範囲内で利用している。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で18%、男性20%、女性16%であり、やや男性の方が利用意向が高い(表2、図4)。
ワイン・バーの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、50~60代女性と60代男性を除く全ての年代・性別で40%を超えている。
消極的利用意向の分布は、男性では30代、女性では20代をピークとして幅広い年代層に広がっている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、40代男女を中心に幅広い年代層に存在していると考えられる(図5)。
ワイン・バーの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20~40代女性と30~50代男性を中心に全ての年代層に存在していると考えられる。
今後は、20~40代女性と30~50代男性を中心とした層の関心をいかに喚起し、さらなる来店利用に結びつけていくかが、成功の鍵といえるだろう。
加えて、30代以降のリピート率向上に向けた施策を実施していくことも重要と考えられる。たとえば、店主のワインに対する知識や品揃えの豊富さや、新しく入庫したワインの情報をメールマガジンで提供するなど、来店頻度の向上や顧客を飽きさせないための工夫も必要だといえる。
図5 潜在需要
※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、バー等の市場規模は、2011年に2兆3,694億円だったものが2012年には2兆3,371億円へと縮小している。本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、現在の利用率等も傾向として若干下がっていると考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2011年7月9日~7月18日
- 調査対象:
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国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月