市場調査データ

天丼店

天丼店は、天丼を中心したメニューで天ぷら料理を提供する飲食店である。現在は、フランチャイズ・チェーン展開もなされており、国内に広く普及してきている。以下では、天丼店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で18%、男性26%、女性10%であり、男性の方が利用率が高い(表1、図1)。

年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは30代男性(31%)であり、次いで、20代男性(28%)、50代男性(27%)、40代男性(26%)などの順となっている。

また、全ての年代・性別において、利用率に比べ「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度は、おおむね男性で高いといえる(図2)。男性の利用経験者のうち、「月に1回」以上利用するユーザーの比率は、全ての年代で20%を超えている。

また、20代女性においても、利用経験者の32%が「月に1回」以上利用しており、利用頻度は高いといえる。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額に関しては、「500~600円未満」がボリュームゾーンだと考えられる(図3)。利用者全体の31%が「500~600円未満」の範囲内で利用し、68%が「400~700円」未満の範囲内で利用している。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で36%、男性43%、女性29%であり、男性の方が利用意向が高い(表2、図4)。

天丼店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、50~60代女性を除く全ての年代・性別で60%を超えている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっており、とくに30~40代女性に多く存在していると考えられる(図5)。

天丼店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)も、30~40代女性を中心に広く存在していると考えられる。

今後は、認知度を高め、30~40代女性を中心とした幅広い層の関心をいかに喚起し、新たな来店利用に結びつけていくかが、成功の鍵といえるだろう。

また、リピーターが定着しにくい様子もうかがえるため、ポイントカードの利用促進や、季節に応じたメニュー変更、新メニュー開発など、顧客に飽きさせず来店してもらう工夫も必要だといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、日本の飲食店市場規模は、2010年から2012年にかけては12兆2,000億円~12兆5,000億円の間で安定的に推移している(乖離幅は2.5%未満)。本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、現在の利用状況に大きな変化は無いものと考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2011年7月9日~7月18日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月