市場調査データ

ラーメン店(2013年版)

ラーメンは中国を起源とするが、今では国民食と呼ばれるほど広く親しまれている。以下では、ラーメン店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は全体的に高く、男性が81%、女性が70%、男女合わせて75%となっている(表1、図1)。年代・性別で見ると、最も利用率が高いのは、40代男性の89%であり、続いて30代女性(84%)、30代男性(83%)の順に利用率が高くなっている。しかし、女性は30代、男性は40代をピークに年代が上がるにつれて利用率は落ちていく、という傾向が見られる。

表1 現在の利用状況

ラーメン店の、年代・性別ごとの利用状況一覧表

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度は、全ての年代で女性よりも男性の方が高い(図2)。「月に1回」以上利用するユーザーは40代男性に最も多く、40代男性利用者の73%が該当する。「週に1回」以上利用するヘビーユーザーは50代男性に最も多く、50代男性利用者の18%が該当する。

1回1人あたりの利用金額は、30代の男女が比較的高い(図3)。30代男性の67%、30代女性の65%が1回1人あたりに700円以上を使い、30代男女の37%が1回1人あたりに800円以上を使うという結果になっている。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後の利用意向に関しては、若い女性を中心に「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」の比率が高い(表2、図4)。「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい」を合わせた比率(積極的利用意向)は、20代女性で76%、30代女性で77%、40代女性で70%となっている。積極的利用意向は、20代と30代では男性よりも女性の方が高いが、50代と60代では逆転し女性よりも男性の方が高い、という傾向が見られる。

ラーメン店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は極めて高く、いずれの年代・性別でも85%を超えている。最も高いのは20代女性と40代男性の96%となっている。

表2 今後の利用意向

ラーメン店の、年代・性別ごとの今後の利用意向一覧表

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向マイナス利用率)に関しては、利用率が既に高い水準にあるため、20代女性以外の全ての年代・性別でマイナスになっている。(図5)。ただ、女性のマイナスの大きさは男性に比べて小さい。

積極的潜在需要に「否定的な利用意向を持たない層」も加えると、潜在需要の範囲は消極的潜在需要(消極的利用意向マイナス利用率)へと広がる。消極的潜在需要は、全体的に男性よりも女性で大きい。とくに20代女性と40代以上の女性に、大きな潜在需要が存在していると言える。彼女らの関心をいかに喚起させ、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会資料によると、ラーメン・餃子チェーン店の総売上高規模は、2008年に2,507億円だったものが2011年には2,063億円にまで縮小している。本レポートのアンケート調査は2008年に行われたものであるが、現在の利用状況も若干下がってきていると考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2008年10月28日~11月10日

調査対象:

株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:984人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月

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