市場調査データ

中古ゲームソフト販売

ゲームソフトは若い年代、とくに若年男性の間における定番の人気商品であるが、高価格な商品も多いこと、そして、消費者の節約志向がますます強くなっていることから、中古市場も盛況である。以下では、中古ゲームソフト販売についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で13%、男性15%、女性11%であり、男性の方が利用率は高い(表1、図1)。

年代別・性別に見ると、利用率が最も高いのは20代男性(31%)であり、次いで、30代男性(24%)、20代女性(19%)、30代女性(17%)などの順となっている。

また、全体で、「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が利用率に比べて大きいことから、リピート率の低さも窺える。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、全体で年に1回以下(69%)の利用者が多い(図2)。

年代別・性別にみると、比較的若い年代であるほど利用頻度は高い。利用経験者のうち月に1回以上利用する人の割合は、20代男性で24%、20代女性と30代男性で17%となっている。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、無料から5,000円以上までと幅が広い(図3)。

また、「1,500~2,000円」の価格帯の下の部分がグラフの50%の水準に位置していることから、2,000円をやや下回る金額が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であろうと推察できる。

利用金額が比較的高いのは、20代男性であると考えられる。20代男性利用経験者のうち、1回に2,000円以上を使うユーザーの割合は65%、1回に3,000円以上を使うユーザーの割合は42%、1回に5,000円以上を使うユーザーの割合は8%となっている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で15%、男性16%、女性14%であり、男性の方が利用意向は高い(表2、図4)。

中古ゲームソフト販売の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で33%、男性38%、女性28%であり、男性の方が受け入れ余地が大きい。

また、積極的利用意向、積極的利用意向ともに、若い年代であるほど、利用意向は高くなっている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、20代・30代男性では、高い利用率を背景に、ゼロまたはマイナスとなっているが、他は全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。

中古ゲームソフト販売の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっている。また、若い年代であるほど消極的潜在需要は大きいといえる。

20代・30代男性では需給はほぼ飽和状態にあるものの、無関心層の中には未だ大きな潜在需要が隠れていると考えられる。また、パソコン人口の増加に伴い、ゲームソフトユーザーは、60代男女まで幅広く存在するに至っている。若年層向けの商品だけでなく、中高年齢層をもターゲットにした商品の品揃えを行うと同時に、会員制の導入やイベント的な販促施策を定期的に実施するなど、リピート率の向上に向けた努力も利用率の向上には有効だといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※本レポートのアンケート調査は2012年に行われたものであるが、消費者の低価格志向が進むことにより、今後の利用意向等は若干上がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2012年6月2日~6月29日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,084人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月