市場調査データ

古本店

消費者の低価格志向への適応、チェーン店による普及拡大などを背景に、古本店は近年見直され人気を集めている。以下では、古本店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で56%、男性が56%、女性が55%となっている(表1、図1)。利用率は男女ともに若い世代であるほど高い。利用率が最も高いのは20代男性(82%)であり、次いで、30代男性(70%)、20代女性(69%)、40代男性(67%)の順に利用率が高い。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度も利用率同様、男女ともに概ね若い世代であるほど高い(図2)。利用頻度が比較的高いのは、30代男性であり、30代男性利用経験者の54%が月に1回以上利用し、19%が週に1回以上利用している。週に1回以上利用するヘビーユーザーは、30代男性利用経験者の19%、40代男性利用経験者の18%、50代男性利用経験者の12%などとなっている。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体では300~500円未満の範囲と考えられる(図3)。利用経験者全体の33%が300~500円未満の範囲内で利用し、73%が600円未満の範囲内で利用している。

1回あたり利用金額が比較的多いのは30代男性であり、彼らの利用経験者の52%が1回に500円以上を使い、11%が1回に1000円以上を使い、8%が1回に1500円以上を使っている。

また、全ての年代において、1回あたり利用金額は、概ね男性の方が女性よりも多い。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、60代以外の年代では、女性の方が男性よりも高い(表2、図4)。とくに20代~50代女性の利用意向が高く、いずれも50%を超えている。

古本店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代を除く全ての年代・性別で80%を超えている。とくに、20代~40代男女での利用意向が高い。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、若い世代の利用率の高さを背景に、20代~40代男女でマイナスとなっている(図5)。また、利用意向の低さを背景に50代男性の積極的潜在需要もマイナスとなっている。

古本店の利用に否定的な意向を持たない層をも加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、概ね高い年代であるほど大きいと言える。

現在の20代~40代男女の高い利用率を維持しつつ、より高い年代(50代・60代男女)の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※スマートフォンなどの普及で様々な情報がインターネットを介して無料で簡単に入手できるようになった。総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が書籍・雑誌等(中古を含む)にかける年間支出金額平均は、2009年に14,578円だったものが2012年には13,344円へと減少している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用率等は若干下がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2009年6月25日~7月9日

調査対象:

株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月

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