市場調査データ

プリントショップ

プリントショップは、ラベル、はがき、名刺など小ロットの印刷業務を中心に行うサービス店舗である。以下では、プリントショップについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で10%、男性10%、女性11%となっている(表1、図1)。

年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは30~40代女性(14%)であり、次いで、20代女性(13%)、20代・60代男性(12%)などの順になっている。

また、30代以上においては、利用率に比べ「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、バラツキがあるが、全体で「3年に1回未満」と「年に1回」利用するユーザーが多い(図2)。利用経験者全体のうち、45%のユーザーが「3年に1回未満」で利用し、19%のユーザーが「年に1回」利用している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額に関しては、バラツキがあるが、全体で「1,000~3,000円未満」がボリュームゾーンだと考えられる(図3)。利用経験者全体のうち、52%のユーザーが「1,000~3,000円未満」の範囲内で利用している。

また、「1,500~2,000円未満」と「2,000~2,500円未満」の区分の境がグラフの50%あたりの水準に位置していることから、2,000円前後が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であると推定できる。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で12%、男性10%、女性14%であり、女性の方が利用意向が高い(表2、図4)。

プリントショップの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、50~60代女性と60代男性を除く全ての年代・性別で50%以上となっている。消極的利用意向は、とくに30~40代女性で高いといえる。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、20代などの女性を中心に存在していると考えられる(図5)。

プリントショップの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、30代・50代男性、30~40代女性などに比較的多く存在していると考えられる。

プリントショップでできるサービス内容は、名刺、専用封筒、専用はがき、チラシ、DM、チケット、パンフレットなど、小ロットからでもできる印刷・コピーサービスである。20代を中心とした女性の中には、こうしたサービスを積極的に利用したいという層も一定割合存在している。従来の法人・事業所への営業だけでなく、20代女性を中心とした幅広い層への働きかけが、新たな販路拡大の成功の鍵だといえる。

また、高い品質水準の成果物の提供などによって、利用顧客のリピート率の向上をはかることも重要と考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会資料によると、DPE・印刷・コピーサービス・チェーン店の総売上高規模は、近年、600億円台で安定的に推移している。本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、現在の利用率等も同程度の水準で推移していると考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2011年7月9日~7月18日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月