市場調査データ

占い店

先行き不透明な時代においては、占いが大きなブームになることがある。占い師はとくに資格を必要とする職業ではないため占い店の開業は容易だが事業として成功させることは容易ではない。以下では、占い店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で2%、男性1%、女性2%であり、男女ともに利用率は極めて低い(表1、図1)。

年代別・性別に見ると、おおむね若い年代であるほど利用率が高い。利用率が比較的高いのは20代女性(5%)となっている。また、「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が利用率に比べて大きいことから、リピート率の低さも指摘できる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、3年に1回未満の利用者が最も多く、利用経験者全体の73%を占めている(図2)。

年代別・性別にみると、30代・40代男性や20代女性の利用頻度が比較的高いといえる。利用経験者のうち、半年に1回以上利用する人の割合は、40代男性で29%、30代男性で31%、20代女性で13%となっている。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、無料から30,000円以上までと、非常に多岐にわたっている(図3)。

また、「2,000円~3,000円未満」の帯の上部がグラフの50%の水準に位置していることから、およそ2,000円~2.500円あたりが、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であろうと推定できる。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で4%、男性2%、女性6%であり、女性の利用意向が高い(表2、図4)。

占い店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代男性を除く全ての年代・性別で10%を超えている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、全ての年代の女性でプラスとなっている(図5)。

占い店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男性も含めた全ての年代・性別でプラスとなっている。

占い店のユーザーに関しては、利用率、リピート率ともに低い状態であると考えられるが、女性を中心に潜在需要は確かに存在しているといえる。占い店においては、とくに20代~50代女性のニーズを引き出すことが大事だと考えられる。また、同時に、質の高い鑑定でリピート率向上に向けた努力を続けてゆくことも必要だといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※原発事故が健康に与える影響など、先行き不透明な事柄は多い。本レポートのアンケート調査は2012年に行われたものであるが、利用意向等は上がってきているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2012年6月2日~6月29日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,084人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月