市場調査データ

牛丼店

牛丼店は、低価格でボリューム感のあるメニューを提供し、20~50代男性を中心に幅広い層のファンを獲得している。以下では、牛丼店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で56%、男性68%、女性44%であり、男性の利用率が高いといえる(表1、図1)。

年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは30代男性(80%)であり、次いで、40代男性(76%)、20代男性(69%)、50代男性(65%)などの順となっている。利用率の分布は、男女ともに30代をピークとして幅広い年代層に広がっている。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度は、女性よりも男性、とくに20~50代男性で高いといえる(図2)。男性の利用経験者のうち、「月に1回」以上利用するユーザーは40代で60%、30代で54%、20代で47%、50代で42%となっている。また、男性の利用経験者のうち、「週に1回」以上利用するユーザーは、30代で18%、20代で17%、40代で9%、50代で8%である。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額に関しては、「400~500円未満」がボリュームゾーンだと考えられる(図3)。利用者全体の37%が「400~500円未満」の範囲内で利用し、79%が「300~600円未満」の範囲内で利用している。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で55%、男性64%、女性46%であり、男性の利用意向が高い(表2、図4)。

積極的利用意向の分布は、男性では40代、女性では30代をピークとして幅広い年代層に広がっている。

牛丼店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、50~60代女性を除く全ての年代・性別で70%を超えている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、20~30代女性に多く存在していると考えられる(図5)。

牛丼店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっており、とくに若い年代を中心とした女性、高い年代を中心とした男性に多く存在していると考えられる。

今後は、20~50代男性の高い利用率を維持しつつ、20~50代女性や60代男性の関心をいかに喚起し、新たな来店利用に結びつけていくかが、成功の鍵といえるだろう。店内に個室感のあるテーブル席を設けるなど、女性客を誘致するための工夫も必要だと考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会資料によると、カレー・牛丼チェーン店の総売上高規模は、近年、2,600億円台で安定的に推移している。本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、現在の利用状況も堅調に推移していると考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2011年7月9日~7月18日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月