市場調査データ

中古釣具販売

近年、レジャーとしての釣り人口は減少していると言われているものの、その反面、中古市場へは良品な釣具が多く流通しているとも考えられる。また、中古釣具の潜在ニーズも幅広い年代層に未だ存在している。以下では、中古釣具販売についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で3%、男性4%、女性1%であり、利用率は低いといえる(表1、図1)。

年代別・性別に見ると、30代男性(7%)や40代男性(6%)などの利用率が比較的高い。「よく利用している」の比率が高いのは、20代男性(3%)である。

「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が利用率に比べて大きいことから、リピート率は低いと考えられる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度は、全体では「3年に1回未満」が最も多く、「3年に1回未満」の利用者が利用経験者全体の56%を占めている(図2)。

年代別・性別に見ると、おおむね女性よりも男性で利用頻度は高いといえる。利用経験者のうち、「月に1回」以上利用するユーザーは、30代男性で8%、40代男性で9%、50代男性で5%となっている。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、全体で見て500円から1,500円の間がボリュームゾーンだといえる(図3)。利用者経験者全体の38%この金額の範囲内で利用している。

また、全体で「1,000~1,500円未満」の帯の下の部分がグラフの50%の水準に位置していることから、1,500円を若干下回る金額が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であろうと推定できる。

高額な金額での利用者はおおむね男性、また若い年代に多いといえる。利用経験者のうち、1回に10,000円以上を使うユーザーの割合は、20代男性で29%、20代女性で20%、30代男性で12%、50代男性で11%、40代男性で9%などとなっている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で3%、男性5%、女性1%であり、男性の利用意向の方が高い(表2、図4)。

中古釣具販売の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、20代~40代男性(28%~35%)で比較的高くなっている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、20代男性などに存在している(図5)。また、50代・60代男性にもわずかではあるが存在している。

中古釣具販売の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代でプラスとなっている。とくに20代~40代男性には、比較的大きな潜在需要が眠っていると考えられる。

新品市場に比べると規模は小さいが、中古市場には30代~50代男性などを中心とした固定客も存在し、20代男性や50代・60代男性には積極的な意思を持った潜在需要も存在する。少量でも多品種で充実した品揃えを実現することで顧客の固定客化を図るとともに、幅広い年代の無関心層の関心を喚起することができれば、需要のさらなる開拓は可能であると考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※2013年7月、福島原発事故による放射能汚染水の海洋への流出が明らかになった。本レポートのアンケート調査は2012年に行われたものであるが、この問題の影響も受け、現在の利用率等は下がってきているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2012年6月2日~6月29日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,084人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月