市場調査データ

中古衣料品店

古くから"古着屋さん"として親しまれてきた中古衣料品店は、男女を問わず幅広い年代層に潜在需要を持つ業態であるといえる。以下では、中古衣料品店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で18%、男性12%、女性24%であり、女性の方が利用率は高い(表1、図1)。

年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは20代女性(33%)であり、次いで、30代・40代女性(25%)の利用率が高い。女性そして若い年代ほど利用率が高いといえる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、利用経験者全体で、「3年に1回未満(23%)」が最も多く、次いで「2~3カ月に1回(20%)」「半年に1回(18%)」が多い(図2)。

年代・性別にみると、30代・40代では女性の方が男性よりも利用頻度が高い、といえる。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、利用経験者全体で、1,500円未満の利用者(49%)と1,500円以上の利用者(51%)とで約半分に分かれる(図3)。この境の1,500円あたりの金額が1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)だといえる。

年代・性別に見ると、20代~50代では男性の方が女性よりも利用金額が多い。

利用頻度と併せると、30代・40代では、男性は少ない頻度で多額の買い物をするのに対して、女性は多頻度で小額の買い物をする傾向にある、と考えられる。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で20%、男性14%、女性26%であり、女性の利用意向が高いといえる(表2、図4)。また、男女ともに若い世代であるほど利用意向が高い。

中古衣料品専門店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)も、男性よりも女性、そして若い世代であるほど高い。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、20代・30代の女性と20代男性に比較的多く存在していると考えられる(図5)。

中古衣料品専門店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男女ともに30代をピークに幅広い年代層に分布していると考えられる。

20代・30代男女を中心に、幅広い年代層の関心をいかに喚起し、実際の来店に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。また、図1で、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえるので、季節に応じた特別販売や品揃えの充実など、既存顧客のリピート率向上に努めることも重要だといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※本レポートのアンケート調査は2010年に行われたものであるが、消費者の低価格志向が進むことにより、今後の利用意向等は若干上がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2010年8月3日~8月23日、11月19日~24日

調査対象:

WizBiz株式会社 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1249人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月