市場調査データ

ディスカウントストア

ディスカウントストアは、日用品・衣料品・食料品・家電製品等を低価格で販売する量販店である。以下では、ディスカウントストアについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で69%、男性77%、女性61%であり、男性の利用率が高い(表1、図1)。

年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは30代男性(82%)であり、次いで、50代男性(78%)、40代男性(76%)、60代男性(75%)などの順になっている。一方、女性では30~40代(64%)を中心に利用率が高いといえる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、全体で「月に1回」や「2~3カ月に1回」の利用が多い(図2)。利用経験者全体のうち、23%のユーザーが「月に1回」利用し、21%のユーザーが「2~3カ月に1回」利用している。また、利用経験者全体の中には、「月に2~3回」以上利用するユーザーも20%程度存在している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額に関しては、全体で「1,000~2,000円未満」がボリュームゾーンだと考えられる(図3)。利用経験者全体の45%が「1,000~2,000円未満」の範囲内で利用している。

また、「1,500~2,000円未満」の区分がグラフの50%の水準にさしかかっていることから、この金額(1,500~2,000円未満)が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であると推察される。

1回あたり利用金額が比較的高いのは、50代以上の男性と40代以上の女性であるといえる。利用経験者全体のうち、1回に3,000円以上を使っているのは、50代男性で26%、60代女性で24%、40代女性で21%、50代女性と60代男性で20%となっている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で68%、男性71%、女性64%であり、やや男性の利用意向の方が高い(表2、図4)。とくに30代男性では、積極的利用意向は81%に達している。

ディスカウントストアの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代女性を除く全ての年代・性別で80%を超えている。30代男性では、消極的利用意向は95%に達している。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、30代女性などに存在していると考えられる(図5)。

また、ディスカウントストアの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は30~40代を中心とした女性に比較的多く存在しているといえる。

今後は、30代を中心とした女性の関心をいかに喚起し、さらなる来店利用に結びつけていくかが、さらなる販路拡大の鍵になるといえるだろう。高級ブランド品、アクセサリーや化粧品など、女性をターゲットとした商品の品揃えを強化することなども有効な施策だと考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、消費者の低価格志向が進むことにより、今後の利用意向等は若干上がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2011年7月9日~7月18日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月