市場調査データ

ブティック

ブティックは、流行の衣料品、装身具、靴などを売る専門店であり、フランス語のboutique(小さな店)が語源となっている。そして、流行に敏感な若い女性でとくに利用率が高い。以下では、ブティックについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で50%、男性39%、女性63%となっており、女性の利用率が高い(表1、図1)。

最も利用率が高いのは20代女性(79%)であり、ほか30代以上の女性で60%前後の利用率となっている。男性でも20代の利用率が約半分(49%)に達している。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、利用経験者全体で、「2~3カ月に1回(25%)」が最も多く、次いで「半年に1回(18%)」が多い(図2)。

利用経験者のうち「月に1回」以上利用するユーザーの割合は、利用率の高い20代女性で42%、40代女性で26%、30代女性で23%となっている。男性でも20代では、20%が「月に1回」以上利用している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、利用経験者全体で、5,000円未満の利用者(49%)と5,000円以上の利用者(51%)とで約半分に分かれる(図3)。この境である5,000円あたりの金額が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)だといえる。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で42%、男性28%、女性59%であり、女性の利用意向が高い(表2、図4)。また、男女ともおおむね若い年代であるほど高い。

ブディックの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、男女ともに若い年代であるほど高い。また、いずれの年代でも女性の方が男性よりも利用意向が高く、全ての年代で、女性の消極的利用意向は80%を超えている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、女性の高い利用率などを背景に、全ての年代・性別でゼロまたはマイナスとなっている(図5)。

ブディックの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男性では30代を中心に、女性では30代・40代を中心に、幅広い年代層に分布していると考えられる。

女性の高い利用率を維持するとともに、30代を中心とした男性や、30代・40代を中心とした女性など、幅広い層の関心をいかに喚起し、ターゲットを意識した品揃えの充実などで、実際の来店に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が洋服にかける年間支出金額平均は、2008年には57,509円だったのが2012年には47,336円にまで減少してきている。現在の利用率等も傾向として若干下がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2010年8月3日~8月23日、11月19日~24日

調査対象:

WizBiz株式会社 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1249人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月