経営強化・起業

高度化事業

2024年 9月 13日

高度化事業は昭和42年に開始された歴史のある制度で、中小機構と各都道府県庁が一体となり、事業資金の貸付や事業計画へのアドバイスなどを行い、中小企業者で構成される組合の事業展開や都道府県の産業政策を後押ししています。
主に工場団地・卸団地を集団で適地に移転する事業や、商店街活性化のための整備事業などに多く利用され、他の中小企業施策には見られないダイナミックさが特徴です。

なお、詳細は以下HPをご参照ください。

制度概要・メリット

高度化事業は、上記のとおり個別の中小企業を支援する事業ではなく、同じ目的を持った中小企業者同士で構成される各種組合や団体の経営基盤を支援する事業で、高度化事業をご利用される際には、下記のような優遇措置が設けられています。

(1)無利子を含む有利な貸付条件

「長期」「低利」の固定利率で貸付を受けられる他、事業内容によっては「無利子」でも融資を受けられます。(貸付対象は「建物」、「構築物」、「建物・構築物の設置に必要な土地」、「設備」となります)

(2)事業者の負担割合を大幅に軽減

原則、対象事業費の80%まで中小機構と都道府県から貸付を受けられ、初期投資を抑えることができます(小規模事業者貸付、災害復旧貸付、緊急健康被害等防止貸付は90%)。
その貸付期間は、最長20年で、3年以内の据置期間も設けられています。

事業者の負担割合

(3)計画作成や貸付後の事業運営をサポート

高度化事業に係る事業計画の作成や貸付後の課題解決を図るため、「中小企業アドバイザー(高度化事業支援)派遣事業」を利用することができます。この事業では、各分野に精通した専門家からのアドバイスを原則無料で受けることができます。

(4)税制上の優遇措置

東京都(特別区)や政令指定都市、人口30万人以上の政令で指定する市等で一定規模以上の事業に対し課される事業所税が、高度化資金の貸付けを受けた中小企業者の工場・店舗・倉庫等では非課税となります。
また高度化事業に要する土地を譲渡した場合に、譲渡所得から1,500万円を限度として所得税、法人税の控除又は損金算入が認められます。

(5)市街地調整区域の開発許可

高度化事業計画として認定された事業は市街化調整区域の開発許可を受けられ、これに基づき貸付対象施設の設置が可能となります。また農地転用も認められるようになります。

制度要件

高度化事業における主な貸付種類ごとの対象者・貸付要件は、下表のとおりとなります。
下表に掲載した以外にも様々な貸付種類がございますので、詳細は前掲の「ハウトゥー高度化」をご参照ください。

高度化事業における主な貸付種類ごとの対象者・貸付要件
活用イメージ
※活用イメージ 左:集団化事業 右:集積区域整備事業

ご利用の流れ

高度化資金の貸付け方式には、1つの都道府県内での事業に対するA方式と、2つ以上の都道府県にまたがる広域の事業に対するB方式があります。
主に利用されるA方式では、先ずは各都道府県庁の担当部署(主に商工労働部や産業労働部)が窓口となりますので、先ずは以下リンク先から該当する都道府県庁までご連絡ください。

高度化事業利用の流れ

まとめ

  1. 中小企業を直接支援する制度ではなく、主に中小企業者等で構成される組合が工業団地・共同物流施設・ショッピングセンターなど、ダイナミックな施設整備をする際に利用できる。
  2. 資金の貸付けのほか、高度化事業計画策定の段階から専門家からのアドバイスを原則無料で受けられる。
  3. 中小機構と都道府県から、対象事業費の80%まで資金貸付を得られ、事業者の負担は20%程度に留めることが可能となる。
  4. 事業内容によっては、無利子で融資を受けられる他、税制上や都市計画法上の様々な優遇措置を受けられる。