2026年10月内容改訂
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)は、中小企業等が大学、公設試験研究機関、研究機関等と連携して行う研究開発、試作品開発、販路開拓への取り組みを支援する事業です。ものづくり基盤技術やサービスモデルの高度化を図り、研究開発の成果を事業化につなげたい場合に活用できる可能性があります。
Go-Tech事業は、令和3年度まで実施されていた「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」と「商業・サービス競争力強化連携支援事業(サビサポ事業)」が統合され、令和4年度から開始された事業です。中小企業が単独で申請するものではなく、事業管理機関や研究等実施機関などを含む共同体を構成して取り組む点が特徴です。
令和8年度の公募では、通常枠に加え、従来の「出資獲得枠」を改編した大型研究開発枠が設けられています。補助対象経費、補助率、補助上限額、事業期間、審査項目などは公募年度によって変わる可能性があるため、申請を検討する場合は、最新の公募要領を確認してください。
本記事では、Go-Tech事業の概要、対象となる取り組み、通常枠と大型研究開発枠、申請に必要な体制、申請前に確認したいポイント、手続きの流れを整理します。
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)とは?
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)は、中小企業等が大学、公設試験研究機関、研究機関等と連携して行う研究開発や試作品開発、その成果の販路開拓を支援する事業です。
対象となるのは、事業化につながる可能性の高い研究開発です。単に新しい技術を研究するだけでなく、研究開発の成果をどのように製品・サービスとして実用化し、顧客や市場に届けるかを見据えた計画が求められます。
また、Go-Tech事業では、「中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針」に記載された内容に関する研究開発等が対象となります。指針では、精密加工、表面処理、立体造形、情報処理、測定計測、バイオなどの技術分野ごとに、川下製造業者等の課題やニーズ、高度化の目標、研究開発の方向性が示されています。申請を検討する場合は、自社の研究開発テーマが指針に合致しているかを確認する必要があります。
Go-Tech事業の対象となる取り組み
Go-Tech事業では、主に次のような取り組みが対象となる可能性があります。
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取り組み |
内容の例 |
|---|---|
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研究開発 |
新技術、新素材、新工法、新システムなどの開発 |
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試作品開発 |
研究開発成果をもとにした試作品、実証機、プロトタイプの開発 |
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性能評価・実証 |
試作品の性能確認、評価試験、実証実験、データ取得 |
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事業化に向けた取り組み |
量産化、品質管理、コスト低減、販路開拓、市場導入に向けた検討 |
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共同研究体制の構築 |
大学、公設試験研究機関、研究機関、事業管理機関等との連携 |
対象となる研究開発テーマは、公募年度や公募要領によって異なります。申請を検討する場合は、研究開発の目的、技術的な新規性、事業化の見込み、市場ニーズ、共同体の体制、補助事業終了後の展開までを整理しておくことが重要です。
通常枠と大型研究開発枠
Go-Tech事業には、通常枠と大型研究開発枠があります。令和8年度公募では、従来の「出資獲得枠」が「大型研究開発枠」に改編されました。
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枠 |
主な位置づけ |
|---|---|
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通常枠 |
中小企業等が大学・公設試験研究機関等と連携して行う研究開発、試作品開発、販路開拓への取り組みを支援する枠 |
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大型研究開発枠 |
より大規模な研究開発や、成長性の高い事業化を見据えた取り組みを支援する枠 |
補助事業期間は最大3年間とされています。補助上限額は枠や事業期間に応じて設定されており、令和8年度公募では、通常枠は単年度4,500万円以下、3年間合計9,750万円以下、大型研究開発枠は単年度1億円以下、3年間合計3億円以下などの上限が示されています。実際の補助額、補助率、対象経費、採択予定件数は公募年度によって変わる可能性があるため、最新の公募要領で確認してください。
申請に必要な共同体
Go-Tech事業は、中小企業が単独で申請する制度ではありません。事業管理機関、研究等実施機関などを含む共同体を構成して申請する必要があります。
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役割 |
主な内容 |
|---|---|
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事業管理機関 |
補助金の執行管理、研究開発計画の進捗管理、共同体内の連絡調整などを担う |
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研究等実施機関 |
研究開発や試作品開発を実施する中小企業、大学、公設試験研究機関、研究機関等 |
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主たる中小企業者等 |
研究開発成果の事業化を中心的に担う中小企業等 |
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アドバイザー・協力機関 |
技術面、事業化面、販路開拓面などで助言や支援を行う |
共同体には、事業管理機関と研究等実施機関を含む2者以上が必要です。研究開発の実施体制、役割分担、知的財産の取り扱い、経費管理、事業化後の販売・量産体制などを、申請前に整理しておく必要があります。
特に、大学や公設試験研究機関と連携する場合は、共同研究契約、知的財産の帰属、成果の利用方法、秘密保持、データの取り扱いなどについて、早い段階で確認しておくとよいでしょう。
審査で確認される主なポイント
Go-Tech事業では、提出された研究開発計画について審査が行われます。審査項目は公募年度や申請枠によって異なるため、最新の公募要領を確認する必要がありますが、一般的には次のような観点が重要になります。
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観点 |
確認される内容の例 |
|---|---|
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技術面 |
研究開発の目的が明確か、技術的な新規性・優位性があるか、研究開発体制が適切か |
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事業化面 |
市場ニーズを捉えているか、事業化の見込みがあるか、販路や顧客、収益計画が整理されているか |
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政策面 |
ものづくり基盤技術やサービスモデルの高度化、成長分野への展開など、政策目的に沿っているか |
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実施体制 |
共同体の役割分担、進捗管理、経費管理、知財管理などが適切か |
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大型研究開発枠の観点 |
大規模な研究開発としての必要性や成長性、事業化に向けた体制などを説明できるか |
研究開発計画では、技術の新しさだけでなく、誰のどのような課題を解決するのか、開発後にどの市場でどのように事業化するのかを明確に説明できることが求められます。そのため補助事業終了後の事業化までを見据えて、計画を作成する必要があります。
申請前に確認したいチェックリスト
Go-Tech事業への申請を検討する場合は、次の点を確認しておくとよいでしょう。
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確認項目 |
確認する内容 |
|---|---|
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研究開発テーマ |
事業化につながる可能性の高い研究開発か |
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指針との整合性 |
高度化指針に沿った研究開発計画になっているか |
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技術の新規性 |
既存技術や競合技術との差別化を説明できるか |
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市場ニーズ |
川下製造業者、顧客、市場の課題やニーズを把握しているか |
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共同体 |
事業管理機関、研究等実施機関などを含む体制を構築できるか |
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役割分担 |
研究開発、試作品開発、評価、事業化、販路開拓の役割が明確か |
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知的財産 |
特許、ノウハウ、共同研究成果の帰属や利用方法を整理しているか |
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資金計画 |
補助対象経費、自己負担、補助金入金までの資金繰りを確認しているか |
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事業化計画 |
量産化、販売先、収益モデル、販売体制を検討しているか |
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e-Rad |
電子申請に必要なe-Radの登録状況を確認しているか |
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実績報告 |
研究開発の進捗、経費、成果物に関する証拠書類を管理できるか |
申請に必要な準備
1.研究開発テーマを整理する
開発したい技術、製品、サービスの内容を整理します。技術的な課題、想定する顧客、市場ニーズ、競合との差別化、事業化までの見通しを確認します。
2.高度化指針との関係を確認する
研究開発計画が「中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針」に合っているかを確認します。該当する技術分野、川下製造業者等の課題やニーズ、高度化の目標との関係を整理します。
3.共同体を構成する
Go-Tech事業は単独では申請できないため、事業管理機関、研究等実施機関などを含む共同体を構成します。大学、公設試験研究機関、研究機関、協力企業、アドバイザーなどとの連携体制を検討します。
4.研究開発計画と事業化計画を作成する
研究開発の目的、技術的課題、実施内容、スケジュール、経費、成果目標、事業化の見通しを具体化します。補助事業期間中の研究開発だけでなく、終了後の量産化、販売、販路開拓、収益化までを見据えることが重要です。
5.e-Radの登録状況を確認する
申請は府省共通研究開発管理システム(e-Rad)による電子申請で行います。電子申請は事業管理機関が行う必要があります。e-Radの利用登録には時間がかかる場合があるため、事業管理機関の登録状況や研究者情報の登録を早めに確認してください。
6.申請書類を作成し、提出する
公募要領で定められた提案様式、研究開発計画、経費内訳、共同体に関する書類などを準備し、e-Radを通じて申請します。必要書類や提出方法は公募年度によって異なるため、最新の公募要領と申請手続き案内を確認してください。
申請から補助金受給までの流れ
Go-Tech事業は、採択後すぐに補助金が支払われる制度ではありません。一般的には、次のような流れで進みます。
1.公募要領を確認する
対象者、対象となる研究開発、補助対象経費、補助率、補助上限額、事業期間、提出書類、審査項目、スケジュールを確認します。
2.研究開発計画を作成する
高度化指針との整合性、研究開発の目的、技術課題、研究方法、実施体制、事業化計画を整理します。
3.共同体を構成する
事業管理機関、研究等実施機関、大学・公設試験研究機関、協力機関などの役割を整理し、共同体を構成します。
4.e-Radの登録を確認する
申請はe-Radによる電子申請で行います。事業管理機関が申請を行うため、登録状況や必要な研究者情報を確認します。
5.申請書類を提出する
事業管理機関がe-Radを通じて申請書類を提出します。
6.審査・採択結果を確認する
提出された計画は審査され、不採択となる場合もあります。採択された場合も、この時点で補助事業を開始できるとは限りません。
7.交付申請を行い、交付決定を受ける
採択後、必要書類を提出し、交付決定を受けます。原則として、交付決定前に発注・契約・支払いを行った経費は補助対象外となるため注意が必要です。
8.補助事業を実施する
交付決定後、研究開発計画に基づいて補助事業を実施します。研究開発の進捗、経費の支払い、成果物、会議記録、試験データなどを整理しておきます。
9.実績報告を提出する
補助事業終了後、実施内容と経費を取りまとめ、期限までに実績報告を行います。必要書類や経理処理に不備があると、補助対象経費として認められない場合があります。
10.補助金を請求・受給する
実績報告書の提出後、担当経済産業局等による確定検査を経て補助金額が確定し、請求手続きを経て補助金が支払われます。
活用する際の注意点
Go-Tech事業は、研究開発型の補助事業であり、一般的な販路開拓補助金などと比べて、申請準備や採択後の管理が複雑になりやすい制度です。申請を検討する場合は、研究開発テーマの整理だけでなく、共同体の構築、経費管理、知的財産の取り扱い、事業化計画、補助事業終了後の展開までを見据えて準備する必要があります。
また、補助金は後払いです。採択された場合でも、事業者が先に経費を支払い、実績報告を経て補助金を受け取る流れになります。自己負担分の確保や、補助金が入金されるまでの資金繰りを確認しておきましょう。
共同研究では、研究成果の帰属、特許出願、ノウハウ管理、秘密保持、データの利用、成果発表の範囲などを事前に整理しておく必要があります。大学や公設試験研究機関、研究機関、協力企業と連携する場合は、契約内容や役割分担を早めに確認しておくとよいでしょう。
採択後は、研究開発の進捗管理、経費管理、実績報告、検査、フォローアップ調査などに対応する必要があります。申請時点の計画を作って終わりにするのではなく、事業化に向けて継続的に取り組む体制を整えることが重要です。
関連する相談先・情報源
Go-Tech事業への申請を検討する場合は、まず中小企業庁の補助金公募情報や、管轄の経済産業局の案内を確認してください。研究開発テーマの整理、共同体の構築、研究開発成果の事業化や販路開拓については、地域の支援機関、公設試験研究機関、中小機構などに相談することも考えられます。
中小機構が運営するJ-GoodTechは、中小企業と国内外の企業・支援機関等をつなぐビジネスマッチングサイトです。研究開発パートナーや販路開拓先の探索、事業化に向けた情報発信などを検討する際の参考になります。
まとめ
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成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)は、中小企業等が大学・公設試験研究機関等と連携して行う研究開発、試作品開発、販路開拓への取り組みを支援する事業である
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申請には、事業管理機関や研究等実施機関などを含む共同体の構築が必要であり、中小企業単独では申請できない
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研究開発計画は、高度化指針を踏まえた内容であることを前提に、技術面・事業化面・政策面などの観点から審査される
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令和8年度公募では、通常枠と大型研究開発枠が設けられており、補助上限額や要件は枠や事業期間によって異なる
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申請はe-Radによる電子申請で行われ、事業管理機関が申請手続きを行う
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採択後も、交付決定、補助事業の実施、実績報告、補助金請求などの手続きが必要であり、補助金は後払いである
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申請を検討する場合は、中小企業庁の公募情報、最新の公募要領、管轄の経済産業局等の案内を確認することが重要である









