2026年8月内容改訂
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等が自ら経営計画を作成し、その計画に基づいて行う販路開拓等の取り組みや、販路開拓とあわせて行う業務効率化の取り組みを支援する補助金です。
たとえば、チラシ・カタログ作成、ウェブサイトやECサイトの整備、展示会出展、新商品開発、店舗改装などに活用できる可能性があります。ただし、対象となる経費や補助率、補助上限額、特例の内容は公募回や申請類型によって異なります。
申請には、経営計画と補助事業計画の作成、商工会・商工会議所による事業支援計画書(様式4)の発行、電子申請に必要なGビズIDの準備などが必要です。また、補助金は申請すれば必ず採択されるものではなく、採択後も交付決定、補助事業の実施、実績報告、補助金請求などの手続きがあります。本記事では、小規模事業者持続化補助金の概要、対象者、補助率・補助上限額、対象経費、申請前の確認ポイント、手続きの流れを整理します。
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金は、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を支援する制度です。小規模事業者等が、商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を作成し、その計画に基づいて販路開拓等に取り組む場合に、経費の一部が補助される可能性があります。
この補助金の中心となるのは、一般型 通常枠です。一般型 通常枠では、小規模事業者等が取り組む販路開拓や、販路開拓とあわせて行う業務効率化の取り組みが支援対象となります。公募回によっては、賃金引上げ特例やインボイス特例などが設けられる場合があります。
なお、持続化補助金には、創業後間もない事業者を対象とする創業型や、災害の影響を受けた事業者を対象とする災害支援枠などが設けられる場合もあります。ただし、対象者、補助上限額、申請要件、公募期間は類型ごとに異なるため、申請を検討する際は、自社の状況に合う類型と最新の公募要領を確認することが重要です。
対象となる事業者
小規模事業者持続化補助金の対象となるのは、制度上の要件を満たす小規模事業者等です。一般型 通常枠では、業種ごとに常時使用する従業員数の基準が定められています(※)。
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業種 |
常時使用する従業員数 |
|---|---|
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商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) |
5人以下 |
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サービス業のうち宿泊業・娯楽業 |
20人以下 |
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製造業その他 |
20人以下 |
※中小企業基本法上の従業員の数で判断。
個人事業主、法人、一定の要件を満たす特定非営利活動法人などが対象となる場合があります。ただし、資本金や出資金の保有関係、課税所得の状況、過去の持続化補助金の採択・実施状況、同時申請の可否など、複数の要件があります。
また、申請窓口は、事業を営んでいる地域が「商工会地区」か「商工会議所地区」かによって異なります。自社の所在地を管轄する商工会または商工会議所を確認し、公募要領を確認したうえで、不明な点は各事務局にお問い合わせください。
補助率・補助上限額
一般型 通常枠では、補助率や補助上限額は公募回ごとに確認が必要です。現行の一般型 通常枠では、通常の補助上限額は50万円、補助率は原則として3分の2とされています。賃金引上げ特例のうち赤字事業者については、補助率が4分の3となる場合があります。
また、一定の要件を満たす場合、インボイス特例や賃金引上げ特例により、補助上限額が上乗せされる場合があります。
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区分 |
内容 |
|---|---|
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通常の補助上限額 |
50万円 |
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補助率 |
原則3分の2 |
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賃金引上げ特例のうち赤字事業者 |
補助率4分の3となる場合があります |
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インボイス特例 |
要件を満たす場合、50万円が上乗せされる場合があります |
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賃金引上げ特例 |
要件を満たす場合、150万円が上乗せされる場合があります |
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インボイス特例と賃金引上げ特例の両方を満たす場合 |
要件を満たす場合、合計200万円が上乗せされる場合があります |
ただし、特例は申請時に選択すれば必ず適用されるものではありません。補助事業終了時点で一定の要件を満たす必要があり、要件を満たさない場合は補助金が交付されない場合があります。最新の公募要領で、特例の要件、必要書類、補助事業終了時点での確認事項を必ず確認してください。
対象となる取り組み
小規模事業者持続化補助金は、主に販路開拓等の取り組みを支援する補助金です。単なる経費補填や設備購入ではなく、経営計画に基づいて、売上拡大、顧客獲得、販路拡大、生産性向上などにつながる取り組みであることが重要です。
対象となる取り組みの例としては、次のようなものがあります。
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目的 |
取り組みの例 |
|---|---|
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新規顧客を獲得したい |
チラシ・パンフレット作成、広告出稿、ウェブサイト改修、SNS広告 |
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販売チャネルを広げたい |
ECサイト整備、オンライン販売の導入、展示会・商談会への出展 |
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新商品・新サービスを広めたい |
新商品開発、試作品作成、パッケージ改良、テストマーケティング |
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店舗の集客力を高めたい |
店舗改装、看板設置、陳列改善、予約導線の整備 |
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業務効率化を進めたい |
受発注管理、在庫管理、予約管理など販路開拓と関連する業務効率化 |
業務効率化の取り組みは、販路開拓等の取り組みとあわせて行うことが前提となります。単に老朽化した設備を更新する、通常業務で使う備品を購入する、既存事業の維持だけを目的とする、といった場合は対象外となる可能性があります。
補助対象となる経費
補助対象となる経費は、公募回や申請類型によって異なります。一般型 通常枠では、販路開拓等に必要な経費として、次のような経費が対象となる場合があります。
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経費区分 |
内容の例 |
|---|---|
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機械装置等費 |
販路開拓や業務効率化に必要な機械装置・設備等 |
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広報費 |
チラシ、パンフレット、広告、インターネット広告、SNS広告、販促物の作成等 |
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ウェブサイト関連費 |
販路開拓等を行うための、ウェブサイト、ECサイト、システム等の開発・構築・更新・改修・運用等 |
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展示会等出展費 |
展示会、商談会、見本市等への出展費用 |
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旅費 |
展示会出展や販路開拓に必要な移動・宿泊費等 |
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新商品開発費 |
試作品開発、パッケージ試作、原材料費等 |
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借料 |
機器・設備・会場等の借用費 |
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委託・外注費 |
専門事業者への委託、外注費等 |
ただし、対象経費に該当するように見える費用でも、事業目的との関係、発注・契約・支払いの時期、見積書や証拠書類の整備状況などによって、補助対象外となる場合があります。特に、交付決定前に発注・契約・支払い(前払いを含む)を行った経費は、原則として補助対象外となるため注意が必要です。
※展示会等への出展の申込みについてのみ、交付決定前の申込みでも補助対象となります。(ただし、請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外です)
広報費とウェブサイト関連費については、それぞれ単独での申請はできません。必ず、ほかの経費とあわせて申請する必要があります。また、現行の一般型 通常枠では、広報費、ウェブサイト関連費ともに、当該経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。
ウェブサイト制作、ECサイト構築、インターネット広告、SNS広告、チラシ・パンフレット作成などを検討する場合は、どの経費区分に該当するか、上限額の範囲内か、ほかの経費と組み合わせた申請になっているかを、最新の公募要領で確認してください。
申請前に確認したいチェックリスト
小規模事業者持続化補助金の申請を検討する場合は、次の点を確認しておくとよいでしょう。
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確認項目 |
確認する内容 |
|---|---|
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対象事業者 |
自社が小規模事業者等に該当するか |
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管轄 |
商工会地区か、商工会議所地区か |
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申請類型 |
一般型 通常枠、創業型、災害支援枠など、該当する類型はどれか |
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経営計画 |
自社の現状、課題、強み、販路開拓の方向性を整理できているか |
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補助事業計画 |
具体的な取り組み、スケジュール、経費、効果を説明できるか |
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対象経費 |
予定している経費が公募要領上の補助対象に該当するか |
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特例 |
賃金引上げ特例、インボイス特例などの要件を満たす可能性があるか |
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GビズID |
電子申請に必要なGビズIDを取得しているか |
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事業支援計画書 |
商工会・商工会議所に様式4の発行依頼を行う必要があることを確認しているか |
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過去採択 |
過去の持続化補助金で必要な報告を済ませているか |
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手続き順序 |
交付決定前に発注・契約・支払い(前払いを含む)をしないことを確認しているか |
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実績報告 |
補助事業終了後に証拠書類を整理し、実績報告に対応できるか |
申請に必要な準備
1.経営計画を作成する
自社の事業内容、顧客、競合、強み、課題、今後の方向性を整理します。補助金のためだけでなく、今後の販路開拓や経営改善のための計画として作成することが重要です。
2.補助事業計画を作成する
どのような取り組みを行い、どの経費を使い、どのような効果を見込むのかを具体化します。取り組みの内容、実施時期、対象顧客、販売方法、売上見込みなどを整理します。
3.商工会・商工会議所に相談する
申請には、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)が必要です。電子申請システムに経営計画や補助事業計画を入力し、必要書類を添付したうえで、地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼します。発行には時間がかかる場合があるため、申請締切の直前ではなく、早めに相談することが重要です。
4.GビズIDを準備する
電子申請には、原則としてGビズIDプライムのアカウントが必要です。アカウント取得には時間がかかる場合があります。すでに取得済みの場合も、登録情報が古い場合は、最新の情報に更新してから申請してください。なお、「補助金活用ナビ」でもGビズIDの登録方法を掲載しています。
5.必要書類を準備する
申請書、経営計画、補助事業計画、見積書、決算書、特例や加点に関する書類など、公募要領で定められた書類を準備します。必要書類は公募回や申請類型によって異なるため、最新の公募要領を確認してください。
6.電子申請を行う
電子申請システムに必要事項を入力し、書類を添付して申請します。添付ファイルの形式やファイル名、登録場所に不備があると審査に進めない場合があるため、事務局の案内に従って準備してください。
申請から補助金受給までの流れ
小規模事業者持続化補助金は、採択後すぐに補助金が支払われる制度ではありません。一般的には、次のような流れで進みます。
1.公募要領を確認する
対象者、対象経費、補助率、補助上限額、スケジュール、必要書類、審査項目、特例・加点の要件を確認します。
2.経営計画・補助事業計画を作成する
販路開拓等の取り組みの内容、経費、効果を整理します。
3.商工会・商工会議所に事業支援計画書の発行を依頼する
様式4の発行依頼には期限があります。申請締切より前に受付締切が設定されるため、早めに手続きを行います。
4.電子申請を行う
GビズIDを利用して電子申請システムにログインし、必要事項を入力して提出します。
5.審査・採択結果を確認する
申請内容は審査され、不採択となる場合もあります。採択された場合も、この時点では補助事業を開始できるとは限りません。
6.交付申請・交付決定を受ける
採択後、交付申請を行い、交付決定を受けます。原則として、交付決定前に発注・契約・支払い(前払いを含む)を行った経費は補助対象外です。
※展示会等への出展の申込みについてのみ、交付決定前の申込みでも補助対象となります。(ただし、請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外です)
7.補助事業を実施する
交付決定後、公募要領や交付規程に沿って補助事業を実施します。見積書、発注書、契約書、請求書、支払い証拠、成果物などを整理しておきます。
8.実績報告を提出する
補助事業終了後、実施内容と経費を取りまとめ、期限までに実績報告を行います。書類不備があると、補助対象経費として認められない場合があります。
9.補助金を請求・受給する
実績報告の確認後、補助金額が確定し、請求手続きを経て補助金が支払われます。
活用する際の注意点
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓等に取り組む小規模事業者が活用を検討しやすい制度ですが、いくつか注意点があります。
まず、補助金は後払いです。採択された場合でも、原則として事業者が先に経費を支払い、実績報告を経て補助金を受け取る流れになります。そのため、自己資金や借入など、補助金が入金されるまでの資金繰りを確認しておく必要があります。
次に、採択は補助金の支払いを保証するものではありません。採択後に交付決定を受け、補助事業を適切に実施し、実績報告で経費が認められて初めて補助金額が確定します。
また、補助対象経費は、事業目的との関係や証拠書類の整備が重要です。見積書、発注書、契約書、請求書、支払い証拠、成果物などを残しておく必要があります。現金払い、個人口座からの支払い、証拠書類の不足などは、経費として認められない場合があるため注意してください。
さらに、補助金申請の支援を名目に、補助金採択の保証や高額な成功報酬の請求、不正確な申請内容の勧誘などを行う事業者もいますので、注意が必要です。
まとめ
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小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等が経営計画に基づいて行う販路開拓等の取り組みを支援する補助金である
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一般型 通常枠では、通常の補助上限額は50万円、補助率は原則3分の2とされている
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要件を満たす場合、賃金引上げ特例やインボイス特例により補助上限額が上乗せされる場合がある
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申請には、経営計画と補助事業計画の作成、事業支援計画書(様式4)の発行、GビズIDの準備などが必要である
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交付決定前に発注・契約・支払い(前払いを含む)を行った経費は、原則として補助対象外となるため注意が必要である
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採択後も、交付決定、補助事業の実施、実績報告、補助金請求などの手続きが必要であり、補助金は後払いである
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申請を検討する場合は、最新の公募要領と管轄の商工会・商工会議所の案内を確認することが重要である









