起業マニュアル
アイデア発想の事例
起業のアイデアは、何かがきっかけとなって発見されることがほとんどです。さまざまな起業家たちが、トライ&エラーを繰り返ししながら、アイデアをどのように見つけ実現していったのか。アイデアを発想するまでの過程を、「強みや経験からの起業」と「社会のニーズを解決する起業」の2つの観点で事例を紹介します。
強みや経験からの起業
1.株式会社ランサーズ
- 大学時代にウェブサイト製作、ウェブコンサルなどのネットビジネスで個人事業主を経験。
- その後、就職した会社で発注側の立場になり、仕事の受託者、発注者それぞれの立場を経験する。発注者側となった会社で「スキルの高い個人に仕事を依頼したいが、社内の稟議がおりない」ことで苦労する。
- 受注したい個人と法人をサイト上でマッチングするクラウドソーシングサービスのビジネスモデルを思いつく。
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2.ウォンテッドリー株式会社
- 大学時代、ITバブルや起業ブームもあり、仲間と起業。しかし、事業は続かず、大変なことも多かったため「起業はもう絶対やらない」と思い、外資系金融機関に就職。
- 就職後、約2年で退職し漫画家を目指す。漫画家としてのプロデビューは叶わず、試行錯誤の末、日本の漫画を世界に発信するウェブサービスを作る。
- 漫画のウェブサービスをきっかに、いくつかのサービスをつくり「こんなものがあれば役に立つのに!」という想いから、ビジネスSNSのウォンテッドリーが生まれる。
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3.株式会社 旅工房
- 高校3年の夏休み、将来なにをしたいかを考えている時、多額の資金や技術がなくても旅行会社はスタートできることを知り、将来は旅行業で起業しようと決意。
- 赤字の旅行会社を購入して社長になったあと、海外旅行という思い出深い体験もっと大切に扱っていこうという想いから、格安チケットやツアーを大量に販売する事業からの戦略転換を決意。
- お客様ひとりひとりの好みに合わせオーダーでツアーを提案するために、エリア担当制チームを作り、予約・企画・手配機能を1つに集約。顧客からの要望を、他部署に確認・相談することなくスピーディーに対応する仕組みを思いつく。
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このように、これまでの経験やそこで培った強みから起業するというのは、起業でよくあるパターンです。しかし、当然ながら、趣味や嗜好で取り組む事と、ビジネスとして顧客から金銭を受け取って提供する事はまったく異なります。「自分のやりたいこと」がお客さんに支持されることで、はじめてビジネスとして成り立つのです。
社会のニーズを解決する起業
1.株式会社フェアリーエンジェル
- 会社の買い付けで訪れた諸外国で、「環境破壊」や「食糧難」といった状況を目の当たりにし、自給率の低い日本の食についても危機感を抱く。
- 改めて「日本の農業従事者の高齢化」、「農地の狭さによる非効率な生産」や「天候不順」、「食の安全安心志向への対応」など、様々な課題を認識することになる。
- 農業の工業化を図るべく土を使わず、蛍光灯などの照明を使った水耕栽培による野菜工場の経営を思いつく。
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2.株式会社アグリゲート
- 大学時代に東京から故郷の福岡までのバイク旅で田畑に若い人がいない状況を目の当たりにして、「なんとかしなければならない」と農業に関心を持つ。
- 一度就職した後、農業ビジネスをはじめるが、何をしたらいいか分からず、野菜の販売や農業のコンサルなどに4年間取り組む。
- 新婚旅行でニューヨークへ行き、こだわりを持っているが構えていない青果店「ホールフーズ・マーケット」をアレンジした青果店を日本で展開することを思いつく。
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このように、やりたいことがなかなか見つからない場合、これまでの人生で感じた違和感や世の中の課題を解決するビジネスを考えるのも一つの手です。
誰かの困りごとを解決することは、それだけでビジネスになる可能性を秘めています。最初から、世の中の課題に向き合うのが難しいときは、家族や友人など身の回りの人で困っていることは無いかを考えてみてください。
他者の経験は利用することができます。先輩起業家がどのようにして起業にいたったのか、できるだけ多くの事例に触れ、ビジネス発想の視点を探ると良いでしょう。