起業マニュアル

業種別動向・市場規模

外食産業

外食産業には、給食・機内食の提供や宿泊施設なども含まれることがありますが、ここでは「飲食店」「料飲店」そして「料理品小売業」をみることにします(表1)。

飲食店」に関しては、ファストフードなどの「他の飲食店」が伸びていますが、「食堂・レストラン」を中心に市場規模は縮小しており、飲食店市場全体では1%のマイナス成長となっています。

「料飲店」に関しては、「バー・キャバレー・ナイトクラブ」の売上の落ち込みが大きく、料飲店市場全体では4%のマイナス成長となっています。

「料理品小売業」に関しては、「高齢者世帯や単身者世帯の増加」や「世帯の規模(1世帯あたり人員数)の縮小」などを背景に、弁当・総菜類の売上が伸びており、市場はわずかではありますが拡大しています。

外食産業市場規模

卸売業

卸売業に関しては、2009年から2010年にかけて、「総合卸売業(前年比7%増)」と「鉱物・金属材料卸売業(前年比14%増)」などの市場が拡大しています(表2)。一方、「衣服・身の回り品卸売業(前年比24%減)」や「家具・建具・什器卸売業(前年比14%減)」などで市場が縮小しています。

卸売業市場規模

卸売業を規模別でみると、大規模卸売店で売上が拡大しており、中小規模の卸売店では売上が減少しています(表3)。卸売業界では大規模店への一極化が進んでいることが推察できます。

卸売業市場規模

小売業

小売業に関しては、2009年から2010年にかけて、全体では市場規模が3%拡大しているなかで、「総合小売業」の市場だけがマイナス成長となっています(表4)。「総合小売業」は、衣食住にわたる幅広い商品を小売する事業所であり、百貨店、デパートや総合スーパーなどが含まれます。一方、家電量販店、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどは、それぞれ、「機械器具」「飲食料品・身の回り品」「医薬品・化粧品」などに集中特化した小売業として分類されます。

1カ所ですべての商品をカバーする「総合小売業」の苦戦の背景には、上記のような集中特化型の店舗の台頭があると考えられます(表5)。

小売業市場規模
小売業市場規模

サービス業

おもなサービス業に関してみますと、2009年から2010年にかけて、「広告業」や「インターネット付随サービス」などの市場が拡大しています(表6)。一方、「新聞業」「出版業」や「情報サービス業」などでは市場がマイナス成長となっています。これらの業種の市場縮小の背景には、インターネットの普及でさまざまな情報がより簡単に入手できるようになった点をあげることができます。

現在伸びている「広告業」に関しては、テレビ広告やインターネット媒体広告の市場が伸びており、「インターネット付随サービス」に関しては、サーバーホスト、サイト運営やコンテンツ配信業務などの分野の市場が大きく伸びています。

サービス業市場規模

最終内容確認 2011年3月