起業マニュアル

競合の調べ方

競合の調べ方

「競合を調べる」とは、自分の考えるビジネスと同じようなビジネスに取り組んでいる事業者の商品・サービスやビジネスの特徴を調べることです。
「実際に事業を開始するまで競合の存在に気がつかなかった」という人もいます。「誰も知らないビジネスを思いついた」と思っても、多くの場合、似たようなビジネスがあるはずです。
ここでは、競合の調べ方のポイントを説明します。

競合を調べる狙い

競合を調べるのは、自分の考えている事業アイデアの実現性を高めるためです。競合企業のビジネスの特徴を知ることで、自分の考えているビジネスと同じ部分や違いが見えてきます。競合企業の商品やサービスはどのようなものか、強みや弱みはどこか、どのような顧客を対象にしているかなどを調べてみましょう。
競合他社の取り組みを学ぶことで、自身の考えている事業アイデアに磨きをかけることができます。

競合を調べる方法

1.Web検索

競合を調べるには、Web検索が有効です。いかに新規性の高い取り組みにおいても、表現を変えながら検索するうちに、類似した事業の先駆者が見つかります。「このアイデアを思いついたのは自分だけだと思っていたのに・・」と落胆する人もいますが、ある程度の競合の存在は「ビジネスとして成り立つ規模の顧客ニーズや市場が存在する」ことの証左でもあります。
競合のHPを見つけたら、商品やサービスの特徴だけでなく、販売方法の工夫やお客さんから支持されているポイントなども見つけられるいいでしょう。利用者のレビューやお客さんの声が掲載されていれば、どのようなことが書かれているか確認しておきます。

2.商品購入や現地確認

競合他社の商品やサービスを実際に利用することも大切です。商品であれば、実際に商品を使ってみた満足感を確認しましょう。できれば、一緒に起業する仲間や知人にも商品を使ってもらい、感想を聞けると良いでしょう。サービスであれば、自ら体感することで、Web情報では得られないサービスの良さや欠点がわかります。

また、飲食店や小売店であれば、競合店に直接、訪問してチェックするとよいでしょう。どのようなお客さんが、どのように利用しているか実態がわかるはずです。また、品揃えや店内レイアウトだけでなく、接客方法や店の雰囲気なども確認できるとよいでしょう。

競合を調べた後のアクション

競合を調べることで、自分が考えている商品やサービスの良さや欠点が明らかになります。それらを踏まえて、今、考えているビジネスが、そのままのアイデアで進めてよいか、変更していくべきかなどを考えましょう。仮に競合企業の商品やサービスが優れていた場合には、より優れた機能を開発し、顧客に提供できるか、競合とは違う商品・サービスに変更するかなど、対応が必要です。
また、自分が思いついたアイデアが、どの競合他社でも取り組まれていない場合にはそれがなぜなのか、考えてみることをオススメします。

ある飲食店経営者は、出店予定地域の競合店をすべて訪れ、接客レベル、メニューの豊富さ、味と価格とボリュームのバランスの観点から調査を行い、「人気店の優れた所、いいなと思った所を取り入れ、オリジナリティを加えて実践した」そうです。
いまは複数店舗を経営する経営者ですが、こうした競合に謙虚に学ぶ姿勢が人気の一要素であることは間違いないでしょう。

競合を調べるのは「先駆者の知恵に学ぶ機会」です。競合他社のHPやサービス展開、店舗運営はまさに生きた教科書です。まずはWeb検索から実践し、競合の取り組みに謙虚に学び、事業アイデアの成功確率を高めていきましょう。