業種別開業ガイド
丼物専門店
- 丼物は、かつてはうどんそば店にて提供されるか、個人の専門店で主にランチとして提供されるメニューであって丼物の専門店はほとんど見られなかった。しかし、昭和40年代に「吉野家」が急成長、その後も牛丼チェーンを中心に一大市場を形成している。牛丼のほか、昭和60年代から天丼チェーンが拡大したほか、カツ丼、海鮮丼のチェーンも出現している。
特に丼物チェーン店は、安さ、ボリューム、手軽さで男性客を中心に浸透してきた。 - 店舗設備が大規模でなくても済むなど、比較的参入しやすい業態であり、とくに大手チェーンによる直営またはFCでの店舗展開が進んでいる。
1.起業にあたって必要な手続き
1)食品衛生法に基づく営業許可
飲食店を開業するには、「飲食店営業」の申請を行ない、許可を得る必要がある。
申請に必要な書類
2)食品衛生責任者の配置
食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられている。
食品衛生責任者には、調理師、栄養士、製菓衛生師いずれかの資格を持つ者が必要である。資格者がいない場合、地域の保健所が実施する食品衛生責任者のため の講習を受講し、テストに合格しなければならない。
なお、食品衛生責任者の資格は、各都道府県内のみ有効となっている。
2. 起業にあたっての留意点・準備
●経営形態には2つのタイプがある
・独立型
メニューの開発や営業ノウハウ、資金などの開業準備に努力を要するが、努力が実れば高収益が期待できる。
・FC型
開業準備は比較的容易であるが、FC本部の選定がポイントになる。
1)立地条件
リーズナブルな価格とスピードを提供する大衆向けの丼物を開業する場合、駅周辺、ビジネス街、学生街などが好立地である。その他、営業マンのランチ需要やファミリー層向けに、ロードサイドも大手チェーンの出店が多い。
2)経営上の留意点
3)FC加盟の検討
丼物専門店を開業する場合、オリジナルメニューなど際立って差別化したメニューを提供しない場合、フランチャイズ・チェーン(FC)への加盟も選択肢となる。チェーン同士の価格競争が激しく、大量仕入れ、システム効率化によって個人店が同価格帯で勝負するには困難なことが予想される。
FC加盟のメリットは、本部の経営ノウハウ、教育・研修システム、ブランドイメージが活用でき、未経験者でも比較的容易に参入できる点に ある。一方、加盟金やロイヤルティーが必要になるほか、加盟をしても売上が保証されるものではない。本部の経営状態、加盟金やロイヤルティーの水準、フォロー体制などを見極め、慎重に検討する必要がある。
3. 必要資金例
店舗面積20坪(36席)の牛丼専門店を出店する際の必要資金例
(単位:千円)
- ※物件取得費は含まない
(数値は、2007年12月に丼物専門店における概算値として推定したもの)
4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)
1)売上計画例
資料:大手牛丼専門チェーン各社のIR情報を参考に推定(2010年11月時点)
2)損益計算のシミュレーション
(単位:千円)
- ※人件費:社員1名、アルバイト3名
- ※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
最終内容確認日2014年2月