法人設立費:法人登記手続き費など
求人費:求人媒体の利用費、人材紹介費、採用ツールの利用費など
特別養護老人ホームを含む介護業は、タイプ別に必要となる開業資金と運用資金が異なる。地域サポート型特養のような訪問型であれば、施設を必要としないため相対的に少額の資金から開業できる。国や自治体の運営基準をクリアした人員・設備でスタートし、段階を踏んで事業拡大していく方法もあるだろう。
開業資金と運用資金の例として、タイプ別に表にまとめた(参考)。
開業には相応の費用が掛かるため、国・自治体の補助制度や金融機関を活用したい。金融機関には銀行のほか、開業支援を積極的に行っている政府系金融機関の日本政策金融公庫、福祉活動に対する助成金と融資を行う独立行政法人福祉医療機構(WAM)などがある。また、国や自治体から建設費の補助金を受けている場合は、固定資産税の軽減措置が受けられるケースもあるので確認すると良い。
特別養護老人ホームの差別化のポイント
公的施設である特養は、安い費用で手厚いサービスを受けられるため入所希望者が多く、待機者も多い状況だ。厚生労働省の「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」では、2022年4月時点における特養の待機者数は、全国で27万5,000人いると発表されている。
「特別養護老人ホームの入所申込者の実態把握に関する調査研究」では、待機者を減らす対策として「入所施設を増やす」が 61.9%で最も多かった。また、国は「介護報酬改定の概要」で地域包括ケアシステムの推進などを掲げ、取り組みの強化を表明している。小規模の施設でも参入は歓迎される状況だ。
特別養護老人ホームを開業し安定した経営を維持するためには、他社との差別化を図り、自社ならではの魅力的なサービスを提供する必要がある。また、作業の生産性を上げて手厚いケアを実現させることも重要だ。
同時に、利用者にその特色や良さを広く周知しアピールする必要がある。施設の特徴を伝えるためには、「自社サイトの活用」「オウンドメディアの運営」「介護施設ポータルサイトへの掲載」などが考えられる。
1. 自社サイトの活用
施設の良さを伝えるためには、自社サイトに「24時間スタッフ常駐」「充実したレクリエーション」「末期癌対応」など他社にはない強みを記載し、「当施設が選ばれる理由」を明確に伝えることが重要だ。加えて、「施設へのこだわり」「入居までの流れ」「料金プラン」などの入居を検討しているユーザーが気になる情報も掲載し、不安を払拭させることで集客につなげることができる。
2. オウンドメディアの運営
特別養護老人ホームへの入居を検討しているユーザー、あるいはその家族が気になっている情報を取り扱うオウンドメディアを運営することで、広く施設をアピールすることが可能だ。例えば、自社が末期癌か難病を抱える人をメインに受け入れる施設の場合、家族が行える緩和ケアの方法や介護に役立つグッズ紹介など、公式サイトでは表現しきれないテーマを中心に掘り下げることで、興味関心を集めて集客につなげられる。
3. 介護施設ポータルサイトへの掲載
特別養護老人ホームを含む、介護施設の情報を集めたポータルサイトに自社施設を掲載することで、ポータルサイトから自社の公式サイトへの流入や、集客につなげることができる。 ポータルサイトへ掲載することで、施設の認知度や信頼度を向上させることも可能なため積極的に掲載すると良いだろう。
※開業資金、売上計画、損益イメージなどの数値は、開業状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)