経営強化・起業

社会環境対応施設整備資金融資制度(BCP融資)

企業が地震や津波といった自然災害等の緊急事態に遭遇した場合、事前に何も対策していなければ、揺れにより設備が落下して従業員がケガをしたり、水没でパソコン等のデータが消えたり、停電して生産ラインが止まって商品を供給できなくなったりする可能性があります。商品を供給できなくなれば、収入を得られないことで資金繰りが難しくなり、企業は倒産するおそれがあります。
それを防ぐためには、企業は、事前に緊急時に行う方法や手段等を取り決め、早期復旧して事業の中断や事業資産の損害を最小限にとどめて、事業継続する必要があります。
事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)を策定し、計画を実行するためには、施設の耐震のための設備、パソコン等のデータをバックアップするためのサーバ、発電機等、早期復旧のための設備導入が必要であり、そのためには経費がかかります。
そこで、政府金融機関では、BCP融資制度を設けています。

<対象者>

次の①または②のいずれかに当てはまる方が対象となります。

①自然災害のほか、感染症またはサイバー攻撃にかかる対策の観点から事業継続計画を策定し、その計画が次の(1)または(2)に該当し、防災に資する施設等の整備を行う方

(1)平成18年2月に中小企業庁が公表した「中小企業BCP策定運用指針」により作成した事業継続計画(BCP)および事業継続管理(BCM)

(2)中小企業等経営強化法に規定する事業継続力強化計画または連携事業継続力強化計画のうち認定(変更認定を含む)を受けた計画

②中小企業等経営強化法に定める大企業者であって、同法に基づき連携事業継続力強化計画の認定(変更認定を含む)を受けた認定連携事業継続力強化を行う方(認定連携事業継続力強化計画の実施期間内において、同法に定める区域内又は地域内に事業所を有し又は有する事業者と共同で、認定連携事業継続力強化の実施をするものに限る)

<対象となる事業継続計画>

「事業継続力強化計画」または「連携事業継続力強化計画」において、中小企業BCP策定運用指針による全てのコース(入門、基本、中級、上級)が対象になります。
自治体や団体等が発行するマニュアル等であっても、中小企業BCP策定運用指針に則っていれば、条件を満たしているものとします。

<支援内容>

上記条件を満たした中小企業は、事業継続計画を実行するために必要な設備資金や運転資金として、日本政策金融公庫または沖縄振興開発金融公庫から施設整備に必要な資金の融資を受けることができます。
設備資金は、施設の耐震のための設備、消防用の設備、パソコン等のデータをバックアップするためのサーバ等、防災のための施設設備が対象となります。

社会環境対応施設整備資金融資制度(BCP融資)のイメージ01

※ 基準利率及び特別利率については、日本政策金融公庫のウェブサイトをご参照ください。

<必要書類>

必要書類については、下記の機関にお問い合わせください。

■株式会社日本政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル
電話:0120-154-505

■沖縄振興開発金融公庫 融資第二部
電話:098-941-1795

まとめ

  1. 自然災害等による事業の中断や事業資産の損害を最小限にとどめ、早期復旧して事業継続するためには、緊急時に行う方法や手段等の取り決めを記載した計画として、BCP(事業継続計画)の策定が必要である
  2. 「事業継続力強化計画」または「連携事業継続力強化計画」を策定し、国から認定を受けた中小企業者は、同計画に基づく施設整備に必要な資金の融資を受けることができる
  3. 融資の対象となる施設設備は、施設の耐震のための設備、消防用の設備、パソコン等のデータをバックアップするためのサーバ等である