販路開拓・業務効率化

サービス等生産性向上IT導入支援事業

2023.1月改訂

人口減少・少子高齢化が進む中で、雇用拡大・賃金上昇を消費や投資につなげていく経済の好循環を拡大していくためには、労働生産性の向上が不可欠です。労働生産性の向上には、「アウトプット(付加価値額)の増加」「インプット(労働投入量)の改善」が必要です。ITの活用は、品質管理や顧客開拓につながる「アウトプット(付加価値額)の増加」や自動化・業務効率化につながる「インプット(労働投入量)の改善」双方向からの改善を目指すことができます。

サービス等生産性向上IT導入支援事業とは

中小企業・小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールの導入経費の一部の補助を受けることで、業務効率化・売上アップをサポートする「サービス等生産性向上IT導入支援事業」(通称:IT導入補助金)をご紹介します。日本のGDPの約7割を占めるサービス業は、「無形性」「同時性」というサービスの特徴から、製造業に比べて生産性が低いと言われています。日本の経済の更なる振興には、サービス業の生産性向上は大きな課題です。IT導入補助金は、サービス業以外の製造業なども対象です。

IT導入補助金は大きく3つの類型に分かれています。業務効率化やDXの推進に対応する「通常枠」、インボイス対応を目的とする「デジタル化基盤導入枠」、セキュリティ対策を目的とする「セキュリティ対策推進枠」があります。

対象経費は、IT導入支援事業者経由で導入したソフトウェア費、クラウド利用料、導入関連経費、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は上記に加えハードウェア購入費も対象です。令和元年度・令和3年度補正予算での公募は、デジタル化基盤導入類型およびセキュリティ対策推進枠は令和5年2月16日(木)予定が最終締め切りとなっています。準備が整い次第、公募が開始される令和4年度第2次補正予算については、下記のとおり、通常枠の下限が5万円まで引き下げられ、デジタル化基盤導入枠のITツールの経費の下限が撤廃されました。

令和4年度2次補正予算 補助金の上限額・補助率

令和4年度2次補正予算 補助金の上限額・補助率

補助対象となる事業者について

IT導入補助金の対象者となるには、次の要件全てに当てはまる必要があります。①中小企業・小規模事業者等であること、②交付申請時点において、日本国において登録されている個人または法人であり、日本国内で事業を行っていること。③交付申請の直近月において、申請者が営む事業場内最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること、④gBizIDプライムを取得していること(「gBizIDプライムアカウント」をお持ちでない場合は「gBizID」ホームページ https://gbiz-id.go.jp/top/ より取得が必要)、⑤独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」、または「★★二つ星」のいずれかの宣言を行うこと、⑥補助事業を実施することで一定以上の労働生産性の伸び率が向上する数値目標を作成すること、が求められます。

具体的に「①中小企業・小規模事業者等であること」とは、下表のとおりです。

中小企業であることの図
小規模事業者であることの図

また、⑤「SECURITY ACTION」の「★一つ星」、または「★★二つ星」とは、以下のとおりです。
「SECURITY ACTION」とは、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。認定制度ではありませんので、注意しましょう。

「★一つ星」
  • 「情報セキュリティ対策5ヵ条」に取り組むことを宣言したマークです。

出典:IPA

1段階目一つ星
「★★二つ星」
  • 「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」で自社の状況を把握した上で、情報セキュリティ基本方針を定め、外部に公開したことを宣言したことを示すマークです。
2段階目二つ星

IT導入補助金で求められる労働生産性の伸び率の向上とは、下記のとおりです。

  • 1年後の伸び率3%以上
  • 3年後の伸び率9%以上
    (およびこれらと同等以上の数値目標)

※労働生産性とは、粗利益(売上-原価)/(従業員数×1人当たりの勤務時間(年平均))により算出される。

IT導入支援事業者とは

IT導入補助金では、「IT導入支援事業者」の存在が特徴的です。補助事業を実施する上でのパートナーであり、ITツールの提案・導入・経営診断ツールを利用した事業計画の策定支援をはじめとする各種申請の手続きのサポートを行います。IT導入補助金は、IT導入支援事業者が取り扱う登録済みのITツールが対象です。

IT導入支援事業者・ITツール検索画面において、IT導入支援事業者及びITツールの検索が可能です。

IT導入支援事業者とは

手続きの方法

まずは、IT導入補助金の仕組みを理解した上で、「IT導入支援事業者」「ITツール」を検索(https://www.it-hojo.jp/applicant/vendorlist.html)してみましょう。IT導入補助金の申請については、IT導入支援事業者と相談しながら、手続きを進めましょう。

手続きの方法

まとめ

  1. IT導入補助金は、労働生産性向上を目的とするソフトウェア・クラウド利用料・導入経費などを対象とする補助金です。
  2. 申請はIT導入支援事業者と相談しながら進めましょう。
  3. 労働生産性の伸び率向上を目指す数値目標作成が求められます。