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介護離職を防げ:日商などがセミナー

2020年 1月 21日

介護離職防止の重要性を語る和氣氏
介護離職防止の重要性を語る和氣氏

日本商工会議所・東京商工会議所は1月20日、東京都千代田区の東商カンファレンスルームで「中小企業における介護離職防止セミナー」を開いた。厚生労働省職業生活両立課の尾田進課長と介護離職防止対策推進機構の和氣美枝代表理事が、働き盛りの従業員が家族の介護に時間をとられて仕事を辞めてしまうことを防ぐ方策や、仕事と介護の両立に向けた諸制度・支援策について話した。

尾田課長は2017年に改正・施行された育児・介護休業法の概要を解説。介護のための所定外労働の免除を新設したほか、通算93日まで取得できる介護休業の3回まで分割取得や、年5日の介護休暇の半日単位取得を可能にした。さらに2021年1月の改正・施行では、休暇を時間単位で取得できるようにし、介護離職防止と仕事との両立を進めやすくする。

介護休業について尾田課長は「介護をするだけではなく、仕事に復帰するための準備期間として位置付けている。従業員が介護に専念してしまい職場復帰が難しくなる懸念もあり、長ければ長いほど良いともいえない」と話した。休業取得時と職場復帰時に各28万5000円、再雇用者1人目に38万円、2~5人目は28万5000円を中小企業事業主に支給する助成金制度も紹介した。

家族を16年間介護する和氣代表理事は、企業が介護離職防止に取り組まなければならない理由として、労働力の確保や企業の成長などに加え、従業員と会社を犯罪から守る観点を強調した。精神的に追い詰められた介護者による虐待は年々増加し、最悪の場合、死に至る犯罪になりかねないとし「介護離職防止対策は命を守る行動」と述べた。介護者にとって大事なことは自分の人生を優先的に考えることであり、介護をプロに任せる重要性も指摘した。

その上で、(1)経営者が「介護離職防止宣言」を明文化して発信(2)介護休業や介護サービスなど支援内容を情報提供(3)介護が始まったら上司に報告(4)介護が気になったら地域包括支援センターに相談—などを会社が周知徹底することを提案した。また介護関係のパンフレットを職場に常備、セミナーや勉強会を行うなどで、介護の話ができる職場を作ることを促した。