調査

発注側企業との価格交渉「行われず」7.8%:中小企業庁9月調査

2023年 11月 28日

経済産業省中小企業庁が9月の「価格交渉促進月間」に実施したフォローアップ調査(速報版)によると、発注側企業に対して「価格交渉を希望したが、交渉が行われなかった」とする回答割合が7.8%となり、3月調査に比べ、9.3ポイント減少した。「発注側から申し入れがあり、交渉が行われた」とする回答は14.4%と倍増しており、中小企業庁では、「交渉できる雰囲気が醸成されつつある」と分析している。

「コストが上昇せず、価格交渉は不要」との回答も16.4%を占め、3月調査に比べ、8.7ポイント増加した。コスト上昇が一服、または、すでに価格転嫁できたため、交渉を不要と考える企業が増えているとみられる。その半面、「コストが上昇したが、下請け側が『交渉は不要』と判断し、交渉しなかった」との回答割合が16.8%に上っており、機動的な価格交渉ができていない企業が少なからず存在している。

価格転嫁の状況をみると、コスト全体の転嫁率は45.7%と3月時点よりも1.9ポイント減少し、より高い比率での価格転嫁が課題となっている。また、「まったく転嫁できなかった」「コストが増加したのに減額された」との回答は20.7%と2.8ポイント減少した。

この調査は、30万社の中小企業・小規模事業者を対象に10月10日~11月10日に実施。回答企業数は3万5175社(回答から抽出される発注側企業数は4万2924社)だった。

詳しくは経済産業省のホームページへ。

中小企業に関連するその他の調査・レポートはこちら