調査
全産業マイナス15.7、業況判断DIが4期ぶり上昇:中小企業景況調査(4~6月期)
2024年 6月 28日
中小機構が6月28日まとめた4~6月期の中小企業景況調査(中小企業庁と中小機構が共同で取りまとめ)によると、全産業の業況判断DI(「好転」と回答した企業比率から「悪化」と回答した企業比率を引いた値、▲はマイナス)は、全産業で▲15.7となり、前期と比べ2.6ポイント上昇した。上昇は4期ぶり。
業況判断DIを産業別にみると、製造業が▲18.8(1.1ポイント増)となり、4期ぶりに上昇した。業種別では化学、窯業・土石製品、電気・情報通信機械器具・電子部品など11業種で上昇し、パルプ・紙・紙加工品が横ばいとなった。金属製品、繊維工業の2業種が低下した。
非製造業は▲14.7(3.1ポイント増)となり、こちらも4期ぶりに上昇した。小売業、サービス業、建設業、卸売業のすべての産業で上昇した。
能登半島地震で被災した北陸地域(石川県、富山県、福井県)の業況は▲19.1で8.0ポイント上昇したものの、全国の水準(▲15.7)よりも下回った。県別では、石川県が▲24.8と11.0ポイントの大幅上昇となったが、震災前の水準には戻っていない。
また、原材料・商品仕入単価DI(「上昇」と回答した企業比率から「低下」と回答した企業比率を引いた値)は、全産業で70.3(3.2ポイント増)と3期ぶりに上昇に転じた。従業員数過不足DI(「過剰」と回答した企業比率から「不足」と回答した企業比率を引いた値)は▲21.6(0.3ポイント増)と2期連続で上昇した。産業別をみると、建設業、小売業でマイナス幅が拡大し、不足感が強まった。
中小企業景況調査は全国の中小企業約1万9000社を対象に四半期ごとに実施している。今回は6月1日時点の景況感を全国の商工会、商工会議所の経営指導員や中小企業団体中央会の情報連絡員が1万8840社から聴き取り、1万7959社から有効回答を得た。有効回答率は95.3%。
詳しくは、中小機構のホームページへ。