業種別開業ガイド
ダイビングスクール
- ダイビングの潜在需要はかなりあると予想される。愛好者は若年層から中年層まで幅広く、シニア層にも広がっている。
- ダイビングスクールを起業するのは、自身がダイビングの体験者で、仲間を顧客に独立する例が多い。そうしたルートをいかす場合は、まず事業として最小限の規模を想定して起業する。
- 店舗には、ダイビング機器などのショップを併設しているケースも多い。
1.起業にあたって必要な手続き
ダイビングスクールを開講するには、全国に30以上あるダイビング指導団体の認定を受けたインストラクターの資格をもつ指導員が所属していることが必要である。<PADIジャパン:03-5721-1731、NAUI:03-3261-0171など)
一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。
高圧ガス取締法に対する手続き
酸素の充填や大型タンク(ボンベ)の保管には高圧ガス取締法の適用を受ける。通常のダイビングスクールではとくに必要ないが、大型タンクから小型ボンベへ充填する場合には、施設とタンク(ボンベ)の検査を受ける必要がある。(高圧ガス保安協会:03-3436-1704)
2.起業にあたっての留意点・準備
経営形態には3つのタイプがある。
独立型:営業ノウハウや資金調達には努力を要するが、反面、努力が実れば高収益が期待できる。ある程度自身がスキューバダイビングを体験したり、仲間内で顧客層を掴んでいる場合は、このタイプが挑戦し甲斐がある。
提携型:既に仲間内で開業している事業者からのノウハウ伝授と、自身のノウハウで開業し、顧客の共有を計るなど、共同経営に近い形態で事業を行う場合である。
FC型:既存のフランチャイズチェーンに加盟するとノウハウや顧客獲得の面で有利になるが、ロイヤルティーの負担等がある。
顧客の獲得を第一に考える
ダイビング志向の潜在需要が多いとはいえ、自然に顕在化するものではなく、掘り起こしがポイントとなる。初心者に対して、ライセンス取得から、その後のツアー参加までのアフターフォローをすることで、常連客を作ることが大切。
年間のスケジューリングを作る
海外を含めた年間の潜水スケジュールを年度当初に用意するなどの準備が必要である。近場と海外を組み合わせたり、海洋の様子の違うところを組み合わせたり、初心者向け、上級者向けを組み合わせて、無理のない年間スケジュールを作る。その際、予算を立て顧客の負担をできるだけ少なくすることが必要である。早期スケジューリングすることにより価格折衝を有利にすることも可能である。
開業準備は慎重にする
スキューバーダイビングを知らない顧客をも引き込むために、スキューバ-ダイビングがどんなに楽しいものであるかをビジュアル化したり、費用、ライセンス取得までの講習、最初の体験の様子などをまとめた資料を用意したりする。
当初の用具代は大体10万円程度であるが、リースを利用できるようにしたり、体型に合わない場合は即座に変更できるようにするなど、顧客満足を最優先する。
3.必要資金例
郊外に、間口二間、奥行三間の6坪の店舗で開業する場合の必要資金例
(単位:千円)
制度融資を利用する
開業する場合には、都道府県の制度融資等を利用することができる。融資限度額は300万~500万円が多く、金利率は2~3%で、金融機関からの融資よりは有利な融資を受けることができる。詳細な事業計画書を準備して、都道府県・東京都各区の融資相談窓口に相談するとよい。
4.ビジネスプラン策定例
●初年度売上計画例
(単位:千円)
●モデル収支例
(単位:千円)
●初期投資回収 5年度
* 売上計画やシミュレーション数値などにつきましては、出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
最終内容確認日2014年2月