中小タスクが行く!

第23回:展示会出展編

第23回:展示会出展編 経営のお悩みスバッと解決 中小タスクが行く!

販路開拓の鍵!
展示会出展のポイントは?

どら焼きモッチの発売で、勢いに乗ろうとしている和菓子の製造販売会社、取美庵(とれびあん)。食品の展示会に初めて出展することになりスタッフがレイアウト案を持ってきたものの、社長も専務もどのようなレイアウトが効果的なのかよくわからない。そこで中小タスクにアドバイスを請うことに。どら焼きモッチのファンでもある中小タスクは、どら焼きモッチを頬張りながらレイアウト案を見るなり「初出展にありがちな失敗をしているようですね。」と一言。「展示会は販路拡大の絶好の場であると同時にライバルも多い。自社が何を訴求しているかが一目でわかることが大切です。」とアドバイス。

今回のマンガでは、食品表示の新ルールへの対応を済ませ、徐々に人気商品の売り場を増やしている和菓子メーカー(第20回「食品ルールの新表示編」参照)が、さらなる販路開拓を目指して大規模展示会へ出展することになりました。

「展示会」は、販路開拓や拡大、商品の開発や見直しのための絶好の場。製品分野や販売チャネルにより、多種多様なものが開催されていますが、今回は食品展示会の展示ブースづくりにしぼってポイントを見ていきます。

展示会で得られるメリットとは?

展示会に参加するメリットは大きく以下の5つです。

  1. 商談機会の獲得
    新規顧客や業務提携先が開拓できる。
  2. 来場者のニーズ調査
    来場者のニーズに触れることで新商品開発、商品見直し、販売計画につながる。
  3. 情報発信・自社PR
    多くの来場者に対して自社や商品情報を発信。
  4. 情報収集
    競合企業の動向を把握したり、異業種との交流により新たな視点を得て次のビジネスにつなげる。
  5. 人材育成
    出展を通じて、従業員のモチベーションやプレゼン能力が向上。

参考文献:「中小機構・小規模事業者支援ガイドブックIII」P.55をもとに作成

このように、参加すると商談機会の獲得につながるのみならず、様々な情報の発信・取得が一度に行えるのが、展示会の特長です。

確認しよう! 展示会出展の流れ

実際に展示会への出展を決めると、次のような準備やアフターフォローが必要になります。

展示会出展フロー図

参考文献:「中小機構・小規模事業者支援ガイドブックIII」P.55をもとに作成

今回取り上げるのは、「3.ブース設計の検討」です。来場者の目を惹きつけ、自社や自社商品をアピールするには、ここでの注力が欠かせません。

しかし、マンガ内のブース設計案には、初出展の企業に「ありがちな失敗」が見つかったようです。いったい、どのような点でしょうか? 続きを見てみましょう。

具体的にどうすれば良いかと困惑している社長にタスクは3つのポイントを伝授する。1つめは単品大量陳列で訴求したいものが来場者に一目でわかるようにすること。大型展示会では展示商品の絞り込みが重要。2つめはブース全体を商品PRの媒体と捉え、商品のロゴマークやテーマカラーを使って遠くからでも展示商品の世界観を訴求できるブースづくりにすること。3つめはPRポイントをまとめた商品パネルや照明を使って目を引く展示にすること。さらに食品系展示会の場合は、試食がすべて。費用がかかってもできるだけたっぷり試食を用意すること。そして展示会当日。中小タスクは取美庵(とれびあん)のブースに立ち寄る。試食のどら焼きモッチを頬張りながら、目立って良い感じのブースだと社長に声を掛ける。社長も中小タスクのアドバイスをもとに、商品仕様書を用意したり、FCP展示会・商談会シートを使うなどして、バイヤーさんから名刺をたくさんいただけたと満足そう。それを聞いた中小タスクは「展示会が終わったら、そのバイヤーさん達にサンプルを送るなど、商談成立に向けたやり取りを継続してください!アフターフォローが商談の成否をわけます!」とさらにビシッとアドバイス。しかし、取美庵(とれびあん)の従業員から、配布サンプルが無くなってしまうので、試食はそのへんにしてください、と注意されるのであった。

「ブース設計」の3つのポイント

展示会のブースは商品をPRする絶好の場です。まずは来場者の目を引く展示を心がけ、ブースを訪問してもらうことが重要です。

ポイントは次の3つです。

  1. 商品の単品大量陳列
    PRしたい商品を絞って単品大量陳列することで、何を訴求したいかが来場者に一目で分かるようにする。
  2. テーマカラーやロゴマークの活用
    商品のテーマカラーやロゴマークを活用し、遠くからでも展示商品の「世界観」が訴求できるようにする。
  3. パネル、照明効果の利用
    PRポイントを短い言葉でまとめたパネルや、スポットライト、LEDを使った照明効果を使って、商品を引き立てる。

これらを意識したブース設計ができるかどうかで、集客力が大きく異なってきます。

初出展で陥りがちな「NG展示」とは?

初出展で陥りがちなのが、「会社の特長を知ってもらいたい」とブース内に多くの自社商品を陳列してしまうこと。せっかくのチャンスにできるだけ多くの自社商品をアピールしたいという気持ちはわかりますが、これでは主力商品や自社が何を売りたいのかが埋もれてしまって、かえってアピールポイントが不明瞭になります。

展示会は、個別に一対一でやり取りする商談会と違い、出展社の数も膨大です。例えば、国内最大の食品・飲料展示会のひとつである「FOODEX JAPAN」の出展社数は3,000社以上(2019年は3,316社、4,544ブースが出展)に上ります。

そのため展示ブースでは、単品大量陳列を行うなど、先ほど挙げた3つのポイントに注意して、自社が何を訴求しているかを明確にする必要があるのです。

他にも、出展する際に注意すべき点が「中小機構・小規模事業者支援ガイドブックIII」(P59-60)にまとまっています。こちらにも目を通しておくとよいでしょう。

試食は多めに

食品系展示会は試食がすべてといっても過言ではありません。費用が掛かっても極力多めに準備しましょう。例えば30分間隔で100食ずつ用意するなど、オペーレションを決めて展示会に臨めば、ロスも少なく試食提供できます。また、特に商談成約につなげたい来場者には試食とは別に持ち帰り用サンプルも用意するとより効果的です。

商品仕様書は統一シートを活用

さらに、展示ブースを訪れた来場者に、商品への理解をより深めてもらうため、商品仕様書などを事前に用意しておきましょう。例えば、農林水産省のサイトに用意されている「FCP展示会・商談シート」は、出展者の「伝えたい情報」と、バイヤーの「知りたい情報」を1枚にまとめた、便利な統一シートです。こうしたシートを事前に準備しておくことで、スムーズな商談に繋げることができます。

FCP展示会・商談シート

アフターフォローも忘れずに

また展示会終了後は、「商談成約に向けたアクション」をとることが重要です。大型展示会では、バイヤーなどの名刺が一日に50枚以上獲得できるのが一般的。それをもとに、直ちに見積作成や、取引先用にカスタマイズしたサンプル送付等を行い、関係が切れないようしましょう。営業力が弱いと、この行動がとれず、商談成約につながらないケースが多いのです。

展示会後1ヵ月経ってからのフォローでは遅すぎます。展示会で得た大切な縁を、大きな取引に育てられるよう、相手先企業に迅速に働きかけましょう!

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