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万博出展企業が今後の成長へつながる交流会を開催:中小企業庁・中小機構

2025年 12月 18日

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未来航路出展企業交流会には36社・49名が参加した

中小企業庁と中小機構は17日、経済産業省で大阪・関西万博「未来航路」出展参加企業交流会を開催した。参加者は万博出展の感動や思い出を語り合うとともに、今後の成長に向け連携する機運が生まれるなど、意義深い交流会となった。

この交流会は10月3日から7日に、大阪・関西万博で中小機構と中小企業庁が共催した体験型展示「未来航路-20XX年を目指す中小企業の挑戦の旅-」に参加した83社に呼びかけ、36社・49名が参加した。会場となった経産省別館の共創空間「ベツナナ」は、さまざまな交流を生み出す場として今夏に開設したもの。ラウンジスタイルで自由なコミュニケーションをはかることを目的としている。

「みなさんは成長企業の代表」と期待感を示す山崎中小企業庁経営支援部長の写真画像
「みなさんは成長企業の代表」と期待感を示す山崎中小企業庁経営支援部長

開催にあたり、中小企業庁の山崎琢矢経営支援部長が「未来航路の開催前は不安もあったが、みなさんのおかげで大成功の展示となった。来場者からは『日本の中小企業の技術がここまですばらしいとは思っていなかった。ぜひ常設展示をしてほしい』というおほめの言葉もいただいた」と、万博の成功に謝意をあらわした。さらに、「日本経済の成長には、雇用の7割を支える中小企業の力が不可欠。特に成長志向の企業が日本の未来を作っていく。ここにいらっしゃるみなさんはその代表だと思っている。今日は万博を振り返るとともに、今後の成長への思いや政府の中小企業政策についてもご意見をいただきたい」と期待感を述べた。
中小機構から万博の報告が行われ、来場者が3万5000人を超え、1時間待ちとなることもあるなど、成功裡に終わったことが紹介された。

宮川中小機構理事長(左)から参加証を贈呈された阿波根HPC沖縄代表取締役(中央)の写真画像
宮川中小機構理事長(左)から参加証を贈呈された阿波根HPC沖縄代表取締役(中央)

その後宮川正中小機構理事長から、万博出展社に対し、参加証の贈呈が行われた。参加者を代表してHPC沖縄代表取締役の阿波根昌樹(あはごん・まさき)氏に授与された。阿波根氏は「参加証は我々にとってレガシーになる。みなさんもこれから製品、サービスを考えていると思うが、今日の日をレガシーにして、一緒に未来航路を歩きましょう」と共創を呼びかけた。

参加者によるグループセッションでは、熱い議論が交わされた

その後、参加者が少人数に分かれて、万博で感じたことや、事業の将来像について自由に語り合うグループセッションが行われた。ある出展企業は、「社員が最初は乗り気ではなかったのが、会場で来場者が当社の製品を熱心に見る姿を目の当たりにして、どんどん目を輝かせていた。参加して本当に良かった」と社員の意識に大きな変化があったことが報告された。また、別の企業は「万博会場で大企業から、廃棄物処理で連携の問い合わせがあった」と具体的な成果があったことを紹介した。参加企業それぞれが、万博会場での出会いや気づきがあったことを口々に述べ、時には大きな拍手が起こるなど、大いに盛り上がった。

一方、事業の今後については「今後の自社の事業を拡大するには、自分たちの力だけでなく、さまざまな協力が必要になる。ぜひみなさんとも一緒にやっていきたい」と、その場で連携の申し込みをする企業も飛び出した。「新卒採用に苦労している」という声には、多くの経営者がうなずくなど、課題を共有する姿も見られた。セッションでは、最初は間を空けて座っていた参加者も、議論が熱気を帯びるにつれて、肩が触れ合うほどの近さで激論を交わすようになるなど、共創空間ならではの姿が見られた。

グループセッション後は懇親会が開催され、さらに交流の輪は広がった。宮川理事長は「未来航路と題しているのもあり、日本の未来を切り拓くのは日本の技術。世界で見ても技術で切り拓いているのは日本とドイツだけだろう。日本では、大企業だけでなく中小企業の技術が日本の力となっている。中小機構もともに、後ろから応援する。」と、締めくくった。