調査

労務費増加分を4割以上価格転嫁できた企業は約3割と低水準:日本商工会議所

2024年 5月 8日

日本商工会議所は、4月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査に合わせて、中小企業の価格転嫁の動向を調査した。発注側と受注企業による価格協議は定着しつつあるものの、原材料やエネルギーコスト上昇分の価格転嫁に比べて、人件費上昇分の転嫁が遅れていることが分かった。

発注側企業との「価格協議の動向」について、「協議を申し込み、話し合いに応じてもらえた」は66.0%、「コスト上昇分の反映の協議を申し込まれた」は7.7%と合計で「協議できている」企業は73.7%となった。2023年10月調査から0.7ポイント減少しているものの、依然7割超と高水準であり、価格協議が浸透している。

また、コスト増加分のうち労務費増加分の価格転嫁について聞いたところ、「4割以上の価格転嫁」が実施できた企業は33.9%だった。2023年10月調査から0.8ポイント減少とほぼ横ばいで水準も低い。業種別では、建設業は「4割以上の価格転嫁」が実施できた企業が49.6%と他業種と比較して高水準だが、製造業は33.5%、小売業は29.2%、サービス業は25.1%と低い状態となっている。

企業からは「原材料、エネルギー価格等のコスト増加分に対する価格転嫁の交渉を行ってきたが、今年度は労務費の価格転嫁に向けた交渉を行う予定」(名古屋 ボルト・ナット等製造業)、「原材料価格上昇分はおおむね転嫁できているが、エネルギーコストや労務費上昇分の価格転嫁はできていない。今年度は労務費上昇分の価格転嫁に向けた交渉を行うチャンス」(習志野 医薬品製造業)など、賃上げの原資となる価格転嫁に取り組む意欲が聞かれた。

詳細は日本商工会議所のホームページまで。

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