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経産大臣賞にセルージョン・羽藤氏、科技大臣賞にアイリス・沖山氏:第23回JVA表彰式

2023年 12月 15日

受賞者や関係者らが出席して行われたJVA表彰式

中小機構は12月14日、革新的で潜在成長力の高い事業や社会課題解決を目指す志の高いベンチャー起業家を表彰する「第23回Japan Venture Awards(JVA)」の受賞者を発表し、虎ノ門ヒルズフォーラム(東京都港区)で表彰式を行った。経済産業大臣賞はセルージョン(東京都中央区)の羽藤晋代表取締役社長CEOが受賞。内閣府科学技術政策担当大臣賞にはアイリス(東京都中央区)の沖山翔代表取締役が選ばれた。このほか中小企業庁長官賞や中小機構理事長賞など合わせて起業家12人、ベンチャーキャピタリスト(VC)3人を表彰した。表彰式の模様はオンラインで同時配信された。

経済産業大臣賞を受賞した羽藤氏(右)

経済産業大臣賞に輝いた羽藤氏は、iPS細胞を利用した新しい角膜再生医療を創出することで角膜移植アンメットメディカルニーズ(いまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)を解決し、全世界の角膜失明患者への貢献を目指す。表彰式で羽藤氏は「病気に国境はない。iPSという日本発の技術を世界に出していくことが我々の使命。これからも自己研鑽を重ね、期待に応えられるよう成果を出していきたい」と述べた。一方、科学技術政策担当大臣賞受賞の沖山氏は、AI技術を用いた医療機器の開発・製造・販売、AI技術の研究開発を手掛け、2022年12月に感染症AI判定機器「nodoca(ノドカ)」を発売した。受賞を受けて沖山氏は「研究だけでなく社会実装を通じて日本の医療、世界の医療に貢献していきたい」と抱負を述べた。

内閣府科学技術政策担当大臣賞を受賞した沖山氏(右)

表彰式にプレゼンターとして参加した岩田和親・経済産業副大臣は「(受賞対象の技術は)iPS細胞やAI技術など世界規模の社会課題の解決に寄与するもの。これからも高い志を持って果敢に挑戦し、日本の未来を切り開いていくと確信している」と述べ、羽藤氏ら今回の受賞者を称えた。また、高市早苗・科学技術政策担当大臣は「(アイリスの取り組みのような)新しい形の科学技術とイノベーションの結び付きが先例となり、研究開発型スタートアップが広く認知され、研究成果の社会実装が加速することを期待している」とのメッセージを寄せた。最後に、審査委員長を務めた東出浩教・早稲田大学大学院教授は「起業家の成長の上限はその人の夢の大きさまでと言われる。もっと大きな夢を持ってほしい」と激励した。

大臣賞以外の受賞者は次のとおり。
【中小企業庁長官賞】
後藤将TYPICA Holdings代表取締役CEO▽島津敦好カウリス代表取締役
【中小機構理事長賞】
上野公嗣BABY JOB代表取締役社長
【SDGs特別賞】
清水映輔OUI代表取締役▽德島泰インスタリム代表取締役CEO
【地域貢献特別賞】
小林稜平ElevationSpace代表取締役CEO▽近藤洋祐・電脳交通代表取締役社長CEO
【JVA審査委員会特別賞】
池原真佐子Mentor For代表取締役▽佐藤康行フロンティア・フィールド代表取締役社長兼CEO
【JVCA特別奨励賞】
鈴木裕士エマルションフローテクノロジーズ代表取締役社長
【ベンチャーキャピタリスト奨励賞】
伊藤紀行DIMENSION Business Producer▽宇佐美篤・東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)Partner and Board Director▽福井俊平Archetype Ventures Managing Partner

詳しくは中小機構のホームページへ。