イベント

「減らす」をテーマにした展示会を開催:大田区産業振興協会

2023年 11月 9日

OUTSENSEは折り紙工学でごみの嵩を減らす




公益財団法人大田区産業振興協会は、重さ、コスト、不良率、手間、消費電力など、 減らしたいものに特化した専門技術展示会「減らす展」を8日にPiO PARK(ピオパーク、東京都大田区羽田空港)で開催した。テーマを限定することで、来場者のニーズに合致する製品や技術が容易に見つけられる。会場はお目当ての〝減らす〟技術を求めて多くの来場者で賑わった。



株式会社OUTSENSEは、「折り紙工学で『ごみの嵩を』を減らす」をテーマに出展した。紙や樹脂などをねじり折りという折り方をすると、使用時は強度を保ちつつ、廃棄時は少しの力でたたむことができる。堀井柊我取締役COOは「当社は5年目のベンチャーだが、ある企業と連携して食品容器を開発中、間もなく市場に投入できる」と手ごたえを感じている。

ヱビナ電化はめっき技術で滑らかさを訴求



ヱビナ電化工業株式会社は、「めっきで『熱』を減らす+めっきと洗浄で『手間』と『納期』を減らす」を訴求する。同社は困難な素材にめっき処理をする技術を得意とする。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)複合無電解ニッケルめっき処理により、潤滑性を向上させた素材を展示している。福本功生産本部生産管理グループ課長は「ロボットの関節部など、摺動(滑らせて動く)部に利用できる」と説明する。来場者は同めっきを施した素材と、他の素材のなめらかさの違いを指で確認していた。

グーテンベルクは国産3Dプリンターの普及を目指す


株式会社グーテンベルクは、「国産の超高速3Dプリンターで『製造時間』を減らす」とアピール。自社開発の3Dプリンター「G-ZERO」は高速造形ができる。藤井昂佑メカトロニクスエンジニアは「試作時間が短くでき、廃棄物の量も減らせる。国産3Dプリンターで産業用途のものはまだまだ少ない。海外製が主流の市場に独自製品で勝負したい」と意気込む。同社はこのほど、大塚化学株式会社と資本提携した。今後、両社で共同開発による3Dプリンターの新機種投入や新しい高機能フィラメント(3Dプリンター向け材料)の市場投入を予定しているという。

今回展示会を開催したPiO PARKは、羽田空港の滑走路跡地を再開発した「HANEDA INNOVATION CITY」の一角にある。同CITYは、11月17日にグランドオープンする大規模複合施設。大田区産業振興協会の久保田航羽田PiOセクションアシスタントマネジャーは「羽田空港に隣接するという地の利を生かして、今回の『減らす展』のような、特徴があるニッチな技術に絞ったミニ展示会を開催していきたい」と活用策を語った。

詳細は大田区産業振興協会のホームページまで。