調査

酷暑とコスト高で前月比5.0ポイント悪化:小規模企業8月末業況

2023年 10月 24日

全国商工会連合会がまとめた8月末時点の「小規模企業景気動向調査」によると、産業全体の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス19.1となり、7月末に比べて5.0ポイント悪化した。経済活動はコロナ禍前に戻りつつあるものの、コスト高と酷暑の影響から足踏みの状態が続いている。

業種別では、製造業がマイナス23.8となり、8.1ポイント悪化した。酷暑による作物不良で食料品関連で供給に影響が出た。機械・金属関連は、鉄鋼材などの高騰や一部部品不足で完成品の生産に滞りが起きた。

建設業はマイナス23.4となり、7.1ポイント悪化した。人手不足が顕著になり、受注機会損の発生が続いている。同業他社で職人・下請け業者の取り合いとなるほど深刻化している。

小売業はマイナス24.5となり1.3ポイントの悪化となった。コスト高騰の影響は続いているが、一部業種ではイベント需要などでの売り上げが回復した。衣料品関連は酷暑の影響で秋物の動きが悪く、売上額・採算が小幅に悪化した。食料品関連は、お盆期間での利用客の増加から改善がみられた。

サービス業はマイナス4.4となり、3.3ポイント悪化した。バカンスシーズンではあるものの、酷暑で客足が伸びなかった。旅館関連は、インバウンド需要を中心に売り上げがわずかに改善したものの、エネルギー価格に加え、食材の値上がりなどで採算が悪化している。

調査は全国約300商工会の経営指導員が対象。8月末時点の景況感を調査票に選択記入した。

詳しくは、全国商工会連合会のホームページへ。

中小企業に関連するその他の調査・レポートはこちら