調査
前月比3.9ポイント悪化:8月の中小企業景況
2023年 10月 4日
全国中小企業団体中央会がまとめた8月末時点の「中小企業月次景況調査」によると、景況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス20.5となり、7月末時点と比べ3.9ポイント悪化した。物価の高騰による消費者の節約志向の高まりに加え、燃料コストが高止まりしていることから大半の業種で景況感が悪化した。
業種別では、製造業がマイナス29.6で、5.1ポイント悪化した。中国の景気後退の影響などで海外向けの半導体関連・設備関連の受注が低迷し、「一般機械」が17.9ポイントの大幅な悪化となった。
非製造業は、マイナス13.6で、2.9ポイント悪化した。原材料・エネルギー価格の高止まりに加え、猛暑や台風など天候の影響を受け、「卸売業」が11.5ポイント悪化した。「その他非製造業」も全体的な需要の伸び悩みから17.2ポイントの悪化となった。「サービス業」はコロナ規制のない盆休みで人流が大きく増加。宿泊業を中心に売り上げが増加したもののマイナス要因に打ち消され、景況は7月と同じ水準だった。
価格転嫁の遅れや人手不足の影響を受け、多くの業種で収益力の低下が見られるほか、10月からの最低賃金引き上げを目前に控え、多くの事業者から原資の確保を懸念する声が寄せられているという。
調査は、都道府県中央会に設置されている情報連絡員(協同組合、商工組合などの役職員約2600人に委嘱)が、所属する組合の組合員に聞いた全体的な景況(前年同月比)。
詳しくは、全国中小企業団体中央会のホームページへ。