調査

前月比0.9ポイント悪化:7月末の小規模企業業況

2023年 9月 1日

全国商工会連合会がまとめた7月末時点の「小規模企業景気動向調査」によると、産業全体の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス14.1となり、6月末に比べ0.9ポイント悪化した。夏休みシーズンのレジャー需要や自粛されていたイベントの活発化によって売り上げが改善したものの、猛暑や豪雨の影響で期待以上に客足は伸びなかった。一方で、コスト高や従業員不足による受注機会損などの影響が表れている。

業種別にみると、製造業はマイナス15.7となり、0.2ポイント悪化した。食料品関連で気候変動による仕入れ値や包装品の高騰が続き、価格転嫁でも対応できない状況になっている。機械・金属関連では、人手不足の影響が出ているほか、半導体の調達が不安定になっている。

建設業は、マイナス16.3で1.7ポイント改善した。猛暑からエアコン工事やリフォーム受注が増加したほか、豪雨災害の復興特需も発生した。一方で、天候不良による工期延長や復旧工事に人員が分散されることで人手不足が加速するといった問題も起きている。

小売業はマイナス23.2で、2.6ポイントの悪化。価格転嫁だけではコスト高を吸収できず、採算・資金繰りが厳しい状態になっている。サービス業は、マイナス1.1で2.2ポイント悪化した。旅館関連で国内外の需要が高まっているものの、人手不足を背景にした稼働制限が続いている。

調査は全国約300商工会の経営指導員が対象。7月末時点の景況感を調査票に選択記入した。

詳しくは、全国商工会連合会のホームページへ。

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