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西村経済産業相が京都のスタートアップ経営者と懇談

2023年 9月 1日

スタートアップ企業と車座懇談

西村康稔経済産業相は31日、中小機構の中小・ベンチャー企業支援拠点であるクリエイション・コア京都御車(京都市上京区)を訪問し、京都のスタートアップ企業経営者らと懇談した。

中島本部長からクリエイション・コア京都御車の説明を聞く西村経産相

西村経産相は、中島康明中小機構近畿本部長から、クリエイション・コア京都御車について説明を聞くとともに、入居企業の研究施設を視察した。入居企業の株式会社イクスフォレストセラピューティクスは、RNAを標的とした創薬プロセスの化合物探索方法の研究・事業化に取り組んでいる。代表取締役CEO 樫田 俊一氏は「分注機などの装置の多くが、NEDOやものづくり補助金などの支援を得て導入した」などと説明した。

その後、クリエイション・コア京都御車の入居企業や京都のスタートアップ企業の経営者8人とベンチャーキャピタル経営者らと車座懇談を行った。iHeart Japan株式会社の角田健治社長は「iPS細胞から分化させた心臓や血管などの細胞を培養することで、心臓移植をする必要のない世界を目指している」と説明した。リージョナルフィッシュ株式会社の梅川忠典社長は「ゲノム編集技術で魚の品種改良に取り組んでいる」と紹介するなど、各社の代表が事業にかける思いを語った。

入居企業を視察

西村経産相との意見交換では、「省庁によって申請の届け出が受け入れられる期間が異なっている」や「優秀な女性研究者を役員に登用したいが、そうすると妊娠・出産時の国の支援を受けられなくなる」、「大学発ベンチャーは、大学との関係に影響を受けることがある」といった課題が次々と投げかけられた。西村経産相は「みなさんの5年後、10年後が楽しみ。ディープテックの未来に期待するとともに、ワクワクする気持ちになった。いただいた課題は、しっかり検討したい」と応じた。

クリエイション・コア京都御車は、中小機構が運営するインキュベーション施設。多くのバイオベンチャーが入居している。京都府、京都市、京都大学、京都府立医科大学、産業界などの産学官の協力も得ながら、中小・ベンチャー企業をハード面からソフト面までトータルで支援している。

政府は「スタートアップ育成5か年計画」で、スタートアップ10万社創出を掲げ、投資額をこれまでの10倍増となる10兆円規模とすることを目指すなど支援策を強化しており、クリエイション・コア京都御車も支援拠点として役割を担っている。