調査

需要増に伴う人手不足深刻化、ほぼ横ばいで推移:日商の7月業況DI

2023年 8月 8日

日本商工会議所がまとめた7月の「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果」によると、全産業合計の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス9.8で前月比0.9ポイント悪化した。経済活動の回復基調が続いている半面、需要増に伴う人手不足も深刻化しており、ほぼ横ばいで足踏みしている。

業種別にみると、製造業がマイナス4.1となり、4.7ポイント改善した。国内の設備投資が堅調に推移しているほか、挽回生産が進む自動車関連が牽引した。

小売業はマイナス18.5と1.8ポイントの悪化、サービス業はプラス2.4で2.3ポイントの悪化となった。個人消費に一服感が見られる中、天候不順による客足の減少が重なった。建設業はマイナス19.2で1.4ポイント悪化した。建設資材やエネルギー価格の高止まりによるコスト負担増が影響した。卸売業も輸送費の高騰に加え、小売業・サービス業からの引き合いが減少し、マイナス20.9と7.7ポイント悪化した。

8~10月の先行き見通しはマイナス12.5で、7月に比べ2.7ポイント悪化すると見込んでいる。夏休み需要の本格化を控え、個人消費やインバウンド需要のさらなる拡大への期待感がうかがえる。一方で、人手不足や物価高による日用品などの買い控えへの懸念が継続。また、政府の激変緩和策の段階的縮小でエネルギー価格は上昇傾向にあり、一層のコスト増が危惧されている。海外経済の鈍化による外需の停滞も懸念され、中小企業の先行きは慎重な見方が続いている。

調査は、全国329商工会議所の会員 2497社を対象に7月13~20日に実施され、有効回答数は1966社(回答率78.7%)だった。

詳しくは、日本商工会議所のホームページへ。

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