調査

前月比1.2ポイント改善:6月末の小規模企業業況

2023年 8月 8日

全国商工会連合会がまとめた6月末時点の「小規模企業景気動向調査」によると、産業全体の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス13.2となり、5月末に比べ1.2ポイント改善した。経済活動の正常化を背景に売り上げがプラスで推移するとともに価格転嫁に向けた取り組みが進み、採算性も改善してきている。一方で、コロナ融資の返済開始が資金繰りの悪化に影響を及ぼしている。

業種別にみると、製造業はマイナス15.5となり、0.6ポイント悪化した。食料品関連で価格転嫁が進んでいるものの、資金繰りが大幅に悪化した。繊維関連は一部で受注拡大のための設備投資の動きが見られる。機械・金属関連は引き続きコスト高の影響を受けている。

建設業は4.8ポイント改善のマイナス18.0。原材料価格の高騰が続いているが、一般住宅やリフォーム工事を中心に受注が増加しており、業況の改善が続いている。

小売業はマイナス20.6で1.9ポイント改善した。外出機会の増加で衣料品関連の需要が増加する一方、食料品関連は物価高による消費者の節約志向が高まり、購買頻度が減少している。耐久消費財関連は電気代の高騰から省エネを意識したエアコン関連の需要が伸びている。サービス業はプラス1.1となり1.6ポイント悪化した。

調査は全国約300商工会の経営指導員が対象。6月末時点の景況感を調査票に選択記入した。

詳しくは、全国商工会連合会のホームページへ。

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